ブロー液作製後の経時的な内耳毒性と効力変化の検討

ブロー液は難治性の耳漏の治療に有効である。この薬剤は市販されていないため、各医療施設で作製することが必要である。薬剤作製後の有効期間や内耳毒性の変化についての報告はない。我々はブロー液の外観の変化、pH、浸透圧、殺菌力、内耳毒性について作製直後、作製後1、3、6、9ヶ月後経過したものについて比較検討した。作製後時間の経過とともにアルミニウム成分が析出した。 作製直後のpHは3.6であったが1ヶ月では4.0となりその後の変化はみられなかった。浸透圧は作製直後には920mOsmであったが次第に減少した。殺菌作用は1ヶ月では変化を認めなかったが9ヶ月では600mOsmとなった。内耳毒性はCAPの変化...

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Veröffentlicht in:Otology Japan 2013, Vol.23(1), pp.31-34
Hauptverfasser: 山野, 貴史, 菅村, 真由美, 上野, 哲子, 樋口, 仁美, 中川, 尚志, 森園, 哲夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ブロー液は難治性の耳漏の治療に有効である。この薬剤は市販されていないため、各医療施設で作製することが必要である。薬剤作製後の有効期間や内耳毒性の変化についての報告はない。我々はブロー液の外観の変化、pH、浸透圧、殺菌力、内耳毒性について作製直後、作製後1、3、6、9ヶ月後経過したものについて比較検討した。作製後時間の経過とともにアルミニウム成分が析出した。 作製直後のpHは3.6であったが1ヶ月では4.0となりその後の変化はみられなかった。浸透圧は作製直後には920mOsmであったが次第に減少した。殺菌作用は1ヶ月では変化を認めなかったが9ヶ月では600mOsmとなった。内耳毒性はCAPの変化によると3ヶ月では変化がなかったが、9ヶ月でトーンバースト4kHzの閾値上昇を認めた。これは析出したアルミニウム成分が鼓膜、耳小骨、正円窓上へ沈殿、堆積しているためと推測された。
ISSN:0917-2025
1884-1457
DOI:10.11289/otoljpn.23.31