内視鏡下診療

「1. はじめに:耳科診療には顕微鏡よりも内視鏡が有利なのか?」耳鼻咽喉科の外来診療に内視鏡が導入されてから, 耳内, 鼻内, 口腔, 咽頭, 喉頭の各部位の詳細な解剖と病態の観察が可能となってきた. その結果, 電子内視鏡による観察だけではなく, 硬性内視鏡を使用しての観察と局所処置やminimally invasive treatmentを目指す外来小手術などが可能となってきた1)~3). 耳科疾患の外来診療では, 額帯鏡や顕微鏡を使用して鼓膜や中耳内を観察し処置を行うことが一般的である. これは, 両手での操作が可能な優れた方法であり, 成人ではほとんどの症例で問題なく行うことは可能であ...

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Veröffentlicht in:Otology Japan 2010, Vol.20(1), pp.31-35
Hauptverfasser: 枝松, 秀雄, 安田, 真美子, 小林, 真由美, 大前, 祥子, 志村, 文代, 佐々木, 優子, 松野, 栄雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに:耳科診療には顕微鏡よりも内視鏡が有利なのか?」耳鼻咽喉科の外来診療に内視鏡が導入されてから, 耳内, 鼻内, 口腔, 咽頭, 喉頭の各部位の詳細な解剖と病態の観察が可能となってきた. その結果, 電子内視鏡による観察だけではなく, 硬性内視鏡を使用しての観察と局所処置やminimally invasive treatmentを目指す外来小手術などが可能となってきた1)~3). 耳科疾患の外来診療では, 額帯鏡や顕微鏡を使用して鼓膜や中耳内を観察し処置を行うことが一般的である. これは, 両手での操作が可能な優れた方法であり, 成人ではほとんどの症例で問題なく行うことは可能である. しかし, 乳幼児や車いすの患者などでは患者の頭位や顕微鏡の位置をどのように調整しても耳内の観察が困難な場合がある. 観察困難な部位の病変に対して, 不十分な視野のもとに処置や手術操作を強行した場合には, 耳内を損傷し病変を遺残する危険性がある.
ISSN:0917-2025
1884-1457
DOI:10.11289/otoljpn.20.31