口腔内スキャナーを用いた咬合採得時の歯の偏位に咬合力が与える影響の検証

口腔内スキャナーを用いた咬合採得では,上下顎の歯列スキャン画像と咬合した状態の頬側スキャン画像を重ね合わせることで咬合関係の再現を行う.この時に,実際の口腔内では起こりえない上下顎の咬合面が貫通する画像が観察される場合がある.この現象が起こる要因の1つとして,咬合力によって生じる歯の偏位が推察される.そこで,本研究では,重ね合わせ時に生じる咬合面画像が貫通する現象に咬合力がどの程度,影響するかについて検証した.健全な天然歯列の被験者40 名(男性19 名,女性21 名,平均年齢27.7 ± 2.0 歳)を採用した.口腔内スキャナー(TRIOS 3)を用いた光学法では,上下顎の右側第一小臼歯から...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2023/06/30, Vol.48(1), pp.29-38
Hauptverfasser: 岡本, 真実, 田邉, 憲昌
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔内スキャナーを用いた咬合採得では,上下顎の歯列スキャン画像と咬合した状態の頬側スキャン画像を重ね合わせることで咬合関係の再現を行う.この時に,実際の口腔内では起こりえない上下顎の咬合面が貫通する画像が観察される場合がある.この現象が起こる要因の1つとして,咬合力によって生じる歯の偏位が推察される.そこで,本研究では,重ね合わせ時に生じる咬合面画像が貫通する現象に咬合力がどの程度,影響するかについて検証した.健全な天然歯列の被験者40 名(男性19 名,女性21 名,平均年齢27.7 ± 2.0 歳)を採用した.口腔内スキャナー(TRIOS 3)を用いた光学法では,上下顎の右側第一小臼歯から第二大臼歯部にかけてスキャンした.咬合採得時に,被験者に「普通に咬んでください」,「軽く咬んでください」,「強く咬んでください」を指示し,3 種類の咬合パターンのデータを取得した.各咬合条件のSTL データを画像解析ソフトウェアプログラムから,咬合接触点数・咬合面貫通部分の体積を算出した.また,シリコーンゴム印象材を用いた従来法では,歯接触分析装置を用いて,咬合接触点数を算出した.光学法と従来法は,ともに咬合力が大きくなるにつれて,咬合接触点数が増加し,各咬合条件間に有意差が認められた(P
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.48.1_29