シタネスト・オクタプレッシンカートリッジ® 使用により 生じたメトヘモグロビン血症の1 例

メトヘモグロビン血症は,歯科治療で使用される局所麻酔薬の合併症として知られている.メトヘモグロビンは,酸素運搬能を低下させる.本論文では,下顎骨骨折の治療に際し,シタネスト・オクタプレッシンカートリッジ® の使用によるメトヘモグロビン血症の症例を報告する.下顎骨骨折の診断となった68 歳,男性の患者に対し,手術前に顎間固定を行った.シタネスト・オクタプレッシンカートリッジ® が使用され,プロピトカインの総量は324 mg であった.手術室へ移動後に,SpO₂の低下を認めた.動脈血ガス分析からメトヘモグロビンが6.4% に上昇しており,メトヘモグロビン血症が疑われた.その後は酸素療法で軽快した....

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2021/12/06, Vol.46(2), pp.85-90
Hauptverfasser: 川井, 忠, 角田, 直子, 小松, 祐子, 平野, 大輔, 西平, 宗功, 笹村, 祐杜, 小幡, 健吾, 伊藤, 元, 四戸, 豊, 千葉, 俊美, 佐藤, 健一, 山田, 浩之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:メトヘモグロビン血症は,歯科治療で使用される局所麻酔薬の合併症として知られている.メトヘモグロビンは,酸素運搬能を低下させる.本論文では,下顎骨骨折の治療に際し,シタネスト・オクタプレッシンカートリッジ® の使用によるメトヘモグロビン血症の症例を報告する.下顎骨骨折の診断となった68 歳,男性の患者に対し,手術前に顎間固定を行った.シタネスト・オクタプレッシンカートリッジ® が使用され,プロピトカインの総量は324 mg であった.手術室へ移動後に,SpO₂の低下を認めた.動脈血ガス分析からメトヘモグロビンが6.4% に上昇しており,メトヘモグロビン血症が疑われた.その後は酸素療法で軽快した.大量のプロピトカインを使用する場合は,メトヘモグロビン血症に留意すべきと考えられた.
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.46.2_85