ラットの末梢自然刺激による延髄後角の侵害受容細胞の応答に及ぼす扁桃体刺激の抑制効果

「緒言」三叉神経脊髄路核尾側核とその内側に位置する網様亜核は細胞構築学的に脊髄後角に似ていることから延髄後角(medullary dorsal horn)と呼ばれている1). この部位では多くの侵害受容細胞が記録されている1,2). これらの細胞は三叉神経の支配領域である顎顔面口腔領域からの侵害性入力を受け, その情報を直接的にあるいは脳幹網様体を経て間接的に視床の様々な核に送っている3). 視床を経由したこれらの侵害情報を受ける大脳皮質の第1体性感覚野や前帯状回あるいは大脳辺縁系は, 痛覚の弁別的側面や情動的側面に関わっている3). 従って, 延髄後角の侵害受容細胞の応答の変化を痛覚受容の変...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2008/12/19, Vol.33(3), pp.123-136
Hauptverfasser: 關山, 浩子, 松本, 範雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」三叉神経脊髄路核尾側核とその内側に位置する網様亜核は細胞構築学的に脊髄後角に似ていることから延髄後角(medullary dorsal horn)と呼ばれている1). この部位では多くの侵害受容細胞が記録されている1,2). これらの細胞は三叉神経の支配領域である顎顔面口腔領域からの侵害性入力を受け, その情報を直接的にあるいは脳幹網様体を経て間接的に視床の様々な核に送っている3). 視床を経由したこれらの侵害情報を受ける大脳皮質の第1体性感覚野や前帯状回あるいは大脳辺縁系は, 痛覚の弁別的側面や情動的側面に関わっている3). 従って, 延髄後角の侵害受容細胞の応答の変化を痛覚受容の変化と見なすことができる. 延髄後角の侵害受容細胞は2種類に大別される. すなわち, 侵害刺激のみに応答する特異的侵害受容(nociceptive specific:NS)細胞と侵害刺激のみならず触刺激や圧刺激などの非侵害刺激にも応じる広作動域(wide-dynamic range:WDR)細胞である4).
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.33.3_123