カエル舌咽神経のNa塩味覚刺激に対する相動性応答の性質

「緒言」ヒトは食塩(NaCl)と他の塩化物(KCl, NH4Cl, CaCl2およびMgCl2)の味を明確に区別できる. このことはNa+を他の陽イオンと区別する受容機構が味細胞に存在し, 塩味を中枢に伝える神経線維が存在することを意味する. 実際, ラットの鼓索神経線維には他の塩化物溶液に比べNaCl溶液に特に鋭敏に応答する神経線維が存在する1). 上皮性Na+チャネルブロッカーのアミロライド(amiloride)がNaCl神経応答を抑制することが見出され, 塩味の受容に受容膜の上皮性Na+チャネルを介するpathwayが存在することが提唱されてきた2). しかし, amilorideはラッ...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2007/12/20, Vol.32(3), pp.170-180
Hauptverfasser: 及川, 貴子, 横瀬, 隆夫, 奥田(赤羽), 和久, 北田, 泰之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」ヒトは食塩(NaCl)と他の塩化物(KCl, NH4Cl, CaCl2およびMgCl2)の味を明確に区別できる. このことはNa+を他の陽イオンと区別する受容機構が味細胞に存在し, 塩味を中枢に伝える神経線維が存在することを意味する. 実際, ラットの鼓索神経線維には他の塩化物溶液に比べNaCl溶液に特に鋭敏に応答する神経線維が存在する1). 上皮性Na+チャネルブロッカーのアミロライド(amiloride)がNaCl神経応答を抑制することが見出され, 塩味の受容に受容膜の上皮性Na+チャネルを介するpathwayが存在することが提唱されてきた2). しかし, amilorideはラット鼓索神経のNaCl応答の50%まで抑制するが, 抑制されずに残る応答もある3). 前者はamiloride感受性NaCl応答, 後者はamiloride非感受性NaCl応答と呼ばれている. また, ラット舌咽神経のNaCl応答はamilorideによって抑制されないamiloride非感受性NaCl応答であった4).
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.32.3_170