演題4. 小唾液腺腫瘍の臨床病理学的検討

(緒言)唾液腺腫瘍は臨床的に多様性があり良性のものから悪性度の高いものまで幅広いため診断, 治療に苦慮することも少なくない. 今回われわれは小唾液腺腫瘍について臨床病理学的に検討を行ったので報告した. (対象)1975年4月から2005年3月までの30年間に当科で治療を行った60例とした. (結果)性別では良性, 悪性腫瘍ともに女性の発生頻度が高く, 発症年齢は良性腫瘍が最低16歳, 最高81歳で平均が52.4歳であった. 悪性腫瘍は最低28歳, 最高78歳で平均54.2歳であった. 来院までの期間は良性腫瘍が最短1ヶ月, 最長20年であり平均3年10ヶ月であった. 悪性腫瘍では最短1ヶ月,...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2005/12/20, Vol.30(3), pp.246
Hauptverfasser: 松尾, 伸一, 星, 秀樹, 杉山, 芳樹, 柴崎, 信, 笹森, 傑, 磯崎, 健史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(緒言)唾液腺腫瘍は臨床的に多様性があり良性のものから悪性度の高いものまで幅広いため診断, 治療に苦慮することも少なくない. 今回われわれは小唾液腺腫瘍について臨床病理学的に検討を行ったので報告した. (対象)1975年4月から2005年3月までの30年間に当科で治療を行った60例とした. (結果)性別では良性, 悪性腫瘍ともに女性の発生頻度が高く, 発症年齢は良性腫瘍が最低16歳, 最高81歳で平均が52.4歳であった. 悪性腫瘍は最低28歳, 最高78歳で平均54.2歳であった. 来院までの期間は良性腫瘍が最短1ヶ月, 最長20年であり平均3年10ヶ月であった. 悪性腫瘍では最短1ヶ月, 最長10年であり平均が1年8ヶ月であった. 主訴は, 良性, 悪性腫瘍ともに腫脹が多く, 悪性腫瘍では疼痛などの他症状も認めた. 病理学的分類は, 良性腫瘍が36例, 悪性腫瘍が24例で, 良性腫瘍では35例が多形成腺腫であった. 悪性腫瘍では粘表皮癌が12例, 腺様のう胞癌が5例で良性, 悪性腫瘍ともに口蓋への発生を多く認めた. 悪性腫瘍におけるStage別分類はStage1が6例, Stage2が8例, Stage3が8例, Stage4が1例であった. 治療法は悪性腫瘍では外科療法単独が12例, 外科療法に併用療法を行ったものが11例, 化学療法単独が1例であった. 良性腫瘍に対しては, 全例に切除術を施行し, 再発は認めていない. 術前に併用療法を行った10例について大星, 下里の分類により病理学的治療効果を評価すると効果のあったものは2例(20%)であった. カプランマイア一法による小唾液腺腫瘍の10年生存率は59.1%で, 組織型別では, 粘表皮癌が62.5%, 腺瘍のう胞癌が40.0%であった. 治療法別では, 外科療法単独が70.1%, 外科療法に併用療法を行ったものが54.5%であった.
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.30.3_246_1