演題4. Abiotrophia defectivaによる血管内皮細胞からのサイトカイン産生と白血球接着分子発現誘導
目的:Abiotrophia defectivaは口腔レンサ球菌の一菌種であるが, 同時に感染性心内膜炎の起炎菌の一つにも挙げられている. 我々はこれまでに本菌が血管内皮細胞への強い付着能を有することを報告してきた. 本研究では, 付着後のA. defectivaによる血管内皮細胞への作用, 特にサイトカイン産生および白血球接着分子発現誘導を経時的に検討する. 材料・方法:株化血管内皮細胞(HUVEC)にA. defectiva ATCC 49176(1×106 CFU)を添加, 培養し, サイトカイン(IL-8, TNFα)および白血球接着分子(E-selectin, ICAM-1, VCA...
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Veröffentlicht in: | 岩手医科大学歯学雑誌 2005/08/16, Vol.30(2), pp.160 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:Abiotrophia defectivaは口腔レンサ球菌の一菌種であるが, 同時に感染性心内膜炎の起炎菌の一つにも挙げられている. 我々はこれまでに本菌が血管内皮細胞への強い付着能を有することを報告してきた. 本研究では, 付着後のA. defectivaによる血管内皮細胞への作用, 特にサイトカイン産生および白血球接着分子発現誘導を経時的に検討する. 材料・方法:株化血管内皮細胞(HUVEC)にA. defectiva ATCC 49176(1×106 CFU)を添加, 培養し, サイトカイン(IL-8, TNFα)および白血球接着分子(E-selectin, ICAM-1, VCAM-1)のmRNA発現についてRT-PCR法を用い, 経時的に検討した. また, 培養上清中のサイトカインおよび遊離白血球接着分子はELISAで測定した. さらに, HUVEC上の白血球接着分子の発現は蛍光免疫染色により検討した. 結果と考察:A. defectiva刺激後1時間でTNFα産生誘導が, 2時間でIL-8のmRNA発現誘導が認められた. 白血球接着分子発現はいずれもサイトカインmRNA発現誘導に遅れて観察され, 刺激後6~8時間で顕著な発現誘導が認められた. また, 刺激後6時間でHUVEC上のE-selectinおよびICAM-1分子の発現が観察された. 以上の成績より, A. defectivaは血管内皮細胞に付着後, IL-8, TNFα等のサイトカイン産生とE-selectin, ICAM-1およびVCAM-1といった白血球接着分子の発現を誘導し, 血管内皮における炎症反応に関与していることが明らかとなった. 結論;A. defectivaは血管内皮細胞に付着し, 炎症性サイトカイン産生を誘導した後, 白血球接着分子の発現を誘導し, 血管内皮での炎症反応を進展させる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0385-1311 2424-1822 |
DOI: | 10.20663/iwateshigakukaishi.30.2_160_1 |