演題3. 16S rRNA遺伝子PCR-RFLP法によるHACEKグループ細菌同定法の開発
目的:口腔内に常在するHACEKグループ(Haemophilus spp., Actinobacillus actinomycetemcomitans, Cardiobacterium hominis, Eikenella corrodens, Kingella spp.)の細菌は培養および菌種の同定が困難なグラム陰性桿菌である. 本グループの細菌は, 歯周炎をはじめとする口腔疾患のみならず, 細菌性心内膜炎の起炎菌としても注目されている. 本研究では, 16S rRNA PCR-RFLPを応用したHACEKグループ細菌の迅速同定法について検討した. 材料・方法:H. aphrophilus...
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Veröffentlicht in: | 岩手医科大学歯学雑誌 2005/08/16, Vol.30(2), pp.159 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:口腔内に常在するHACEKグループ(Haemophilus spp., Actinobacillus actinomycetemcomitans, Cardiobacterium hominis, Eikenella corrodens, Kingella spp.)の細菌は培養および菌種の同定が困難なグラム陰性桿菌である. 本グループの細菌は, 歯周炎をはじめとする口腔疾患のみならず, 細菌性心内膜炎の起炎菌としても注目されている. 本研究では, 16S rRNA PCR-RFLPを応用したHACEKグループ細菌の迅速同定法について検討した. 材料・方法:H. aphrophilus ATCC 33894T, A. actinomycetemcomitans ATCC 33384T, C. hominis ATCC 12826T, E. corrodens ATCC 23834T, K. kingae ATCC 23330T, および細菌性心内膜炎患者の血液から分離した臨床分離株7株を用いた. 各菌株の16S rRNA遺伝子を増幅し, Hinf IおよびMsp Iを用いてPCR-RFLPを行った. 結果:実験室株を用いた解析の結果, HACEKグループの細菌は, それぞれ特微的な制限酵素切断パターンを示し, グループ間の細菌のみならず, その他の細菌性心内膜炎起炎菌とも明確に区別された. 次に臨床分離株について検討したところ, 市販の同定キットで同定不能であった1株がHACEKグループのC. hominisと同定され, 他の6株もそれぞれのパターンから菌種が同定された. 考察・結論:16S rRNA PCR-RFLPによるHACEKグループ細菌の同定法は, これまで菌種の同定が困難であったHACEKグループ細菌およびその他の細菌性心内膜炎起炎菌の同定を, 少量のサンプルから迅速かつ簡便に行うことができることが強く示唆された. |
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ISSN: | 0385-1311 2424-1822 |
DOI: | 10.20663/iwateshigakukaishi.30.2_159_2 |