ラットの延髄後角の侵害受容細胞に対する内包条件刺激の抑制効果

「緒言」Adamsら(1974)は末梢感覚神経や中枢神経系の傷害によって起こる求心路遮断痛(deafferentation pain)が内包(internal capsule)の電気刺激によって軽減することを報告した1). その後, 同グループは脳内出血や脳梗塞によって起こる視床痛が内包の電気刺激によって抑さえられることを確認した2-4). 彼らは内包刺激によって大脳皮質から視床や脊髄への下行性痛覚抑制系が活性化されると推測した. しかし, 内包刺激による痛覚抑制効果の神経生理学的メカニズムは未だ解明されていない. Siegelら(1986)は侵害性熱刺激に対する脊髄後角ニューロンの応答が内包...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2003/12/24, Vol.28(3), pp.192-204
Hauptverfasser: 福田, 大介, 松本, 範雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」Adamsら(1974)は末梢感覚神経や中枢神経系の傷害によって起こる求心路遮断痛(deafferentation pain)が内包(internal capsule)の電気刺激によって軽減することを報告した1). その後, 同グループは脳内出血や脳梗塞によって起こる視床痛が内包の電気刺激によって抑さえられることを確認した2-4). 彼らは内包刺激によって大脳皮質から視床や脊髄への下行性痛覚抑制系が活性化されると推測した. しかし, 内包刺激による痛覚抑制効果の神経生理学的メカニズムは未だ解明されていない. Siegelら(1986)は侵害性熱刺激に対する脊髄後角ニューロンの応答が内包の電気刺激によって影響されないことをネコで観察した5). 彼らはこの実験から内包刺激による痛覚抑制は脊髄後角よりもより上位での侵害情報の伝達を抑制することによって起こると考えた. 一方, MorganとFranklin(1988)はラットの熱刺激に対するtail flickの潜時が内包の電気刺激によって延長することを観察した6).
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.28.3_192