ラットの三叉神経脊髄路核尾側核および網様亜核の侵害受容細胞に対する扁桃体条件刺激の抑制効果

「緒言」1976年Akilら1)とMayerら2)はそれぞれ独立に, 前もって四肢に電気刺激(フットショック)を与えると痛覚刺激に対する閾値が上昇することをラットで発見した. その後, 行動学的実験によって, フットショック以外に拘束, 冷水中での水泳, 恐怖などのストレスが鎮痛を引き起こすことが確認され, この現象はストレス誘発鎮痛(stress-induced analgesia:SIA)と呼ばれた3,4). 一方, 扁桃体の細胞は恐怖を誘発するような刺激や拘束などのストレス体験中に興奮し, また扁桃体はストレスによって条件づけされた恐怖反応(驚愕反応, フリージング, 自律神経系の反応)...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2002/12/24, Vol.27(3), pp.246-260
Hauptverfasser: 村田, 純一郎, 松本, 範雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」1976年Akilら1)とMayerら2)はそれぞれ独立に, 前もって四肢に電気刺激(フットショック)を与えると痛覚刺激に対する閾値が上昇することをラットで発見した. その後, 行動学的実験によって, フットショック以外に拘束, 冷水中での水泳, 恐怖などのストレスが鎮痛を引き起こすことが確認され, この現象はストレス誘発鎮痛(stress-induced analgesia:SIA)と呼ばれた3,4). 一方, 扁桃体の細胞は恐怖を誘発するような刺激や拘束などのストレス体験中に興奮し, また扁桃体はストレスによって条件づけされた恐怖反応(驚愕反応, フリージング, 自律神経系の反応)の発現に主要な部位であることが知られている5,6). さらに扁桃体中心核の電気刺激が, ストレス時に観察されると同様な胃潰瘍を引き起こすことがラットで観察されている7). さらに扁桃体へのneurotensinやenkephalinase阻害剤の微量注入がホットプレート潜時を延長させること, すなわち鎮痛効果を引き起こすことが報告されている8,9).
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.27.3_246