顎関節症患者における上顎関節腔滑膜組織の内視鏡学的観察と顎関節痛との関連性

「緒言」顎関節鏡視法は顎関節腔内を直接的に観察でき, プローブを用いて顎関節腔内の硬軟組織の触診も可能なため, 顎関節腔内の病態を詳細に把握できる方法である. 顎関節鏡視法で顎関節腔内にみられる病変には, 滑膜炎, 線維性癒着, 線維性軟骨の軟化や剥離, 関節円板の穿孔や断裂, 腫瘍性病変などがあるが, このうちの滑膜炎は顎関節痛, 線維性癒着は下顎頭運動障害(開口障害)に関連があると考えられている. これまでの研究によって, 滑膜炎と物を咬んだ時の痛み1)や顎関節部の圧痛2)には関連性があることなどが明らかになったが, 滑膜炎の発現部位が顎関節痛に及ぼす影響については未だ不明であり, さらに...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2002/12/24, Vol.27(3), pp.157-165
Hauptverfasser: 大平, 明範, 佐藤, 理恵, 村田, 尚子, 関山, 三郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」顎関節鏡視法は顎関節腔内を直接的に観察でき, プローブを用いて顎関節腔内の硬軟組織の触診も可能なため, 顎関節腔内の病態を詳細に把握できる方法である. 顎関節鏡視法で顎関節腔内にみられる病変には, 滑膜炎, 線維性癒着, 線維性軟骨の軟化や剥離, 関節円板の穿孔や断裂, 腫瘍性病変などがあるが, このうちの滑膜炎は顎関節痛, 線維性癒着は下顎頭運動障害(開口障害)に関連があると考えられている. これまでの研究によって, 滑膜炎と物を咬んだ時の痛み1)や顎関節部の圧痛2)には関連性があることなどが明らかになったが, 滑膜炎の発現部位が顎関節痛に及ぼす影響については未だ不明であり, さらに, それぞれの下顎位と顎関節痛との関連性について詳細に検討した報告はみられない. 本研究では, 顎関節症患者の上顎関節腔の鏡視所見を基にして, 滑膜を関節円板前方部と後方部に分類し, 滑膜炎の発現部位と顎関節痛との関係について検索した.
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.27.3_157