3根を有する上顎第一小臼歯の一例

「緒言」ヒトの歯の過剰根の形態学的研究は, 過去に数多く報告されている. 通常, 単根あるいは頬舌側の2根であるべき上顎第一小臼歯の過剰根においても報告がなされている. 今回我々は, 出現率の非常に低い3根を有する上顎第一小臼歯に遭遇したのでその詳細な観察を報告する1-17). 歯科臨床において根管の解剖学的形態とその分岐形態に関して熟知しておく必要があるにもかかわらず過去の報告でも歯髄腔に関してほとんど言及されていない14, 17). そこで, 我々は遭遇した3根性上顎第一小臼歯の歯髄腔をマイクロフォーカスX線CT(以下マイクロCT)にて非破壊的, 立体的に観察したので報告する. 「材料およ...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2002/08/19, Vol.27(2), pp.87-92
Hauptverfasser: 長門, 里美, 小野寺, 政雄, 藤村, 朗, 中野, 廣一, 菊月, 圭吾, 野坂, 洋一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」ヒトの歯の過剰根の形態学的研究は, 過去に数多く報告されている. 通常, 単根あるいは頬舌側の2根であるべき上顎第一小臼歯の過剰根においても報告がなされている. 今回我々は, 出現率の非常に低い3根を有する上顎第一小臼歯に遭遇したのでその詳細な観察を報告する1-17). 歯科臨床において根管の解剖学的形態とその分岐形態に関して熟知しておく必要があるにもかかわらず過去の報告でも歯髄腔に関してほとんど言及されていない14, 17). そこで, 我々は遭遇した3根性上顎第一小臼歯の歯髄腔をマイクロフォーカスX線CT(以下マイクロCT)にて非破壊的, 立体的に観察したので報告する. 「材料および方法」材料は12歳7か月の男性から矯正治療を目的として便宜抜去された左側上顎第一小臼歯であり, 口腔内写真(Fig. 1)と上下顎歯列模型(Fig. 2)からは歯列内に収まり機能していたことがうかがえた. パノラマエックス線写真および単純エックス線写真から単純に頬舌側に2根ではないと類推された(Fig. 3). 既往歴に特記事項はない. 家族歴では, 母親が16歳6か月時に矯正治療を目的に上下顎第一小臼歯を便宜抜去している.
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.27.2_87