培養歯髄細胞のnodule形成におけるアポトーシスの関与

「緒言」象牙粒などの歯髄組織の石灰化現象は, 知覚過敏に対する処置, 歯冠修復のための形成処置さらに抜髄等の歯内処置に関与し, 臨床的に看過できないものである1). しかし, その形成機序に関する実験的な研究は少なく2), まだ充分には明らかにされていない. 一般的に, 動脈硬化などの石灰化病変と細胞死との関連性は以前からよく知られている. 最近, Kim3)がこれらの病的石灰化, さらに内軟骨性骨化などの生理的石灰化過程で, 細胞のアポトーシスに伴って生じたアポトーシス小体がmatrix vesicleの核となり石灰化の引き金となると報告するなど, 石灰化過程におけるアポトーシスの役割が注目...

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Veröffentlicht in:岩手医科大学歯学雑誌 2002/04/26, Vol.27(1), pp.44-48
1. Verfasser: 矢菅, 隆利
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」象牙粒などの歯髄組織の石灰化現象は, 知覚過敏に対する処置, 歯冠修復のための形成処置さらに抜髄等の歯内処置に関与し, 臨床的に看過できないものである1). しかし, その形成機序に関する実験的な研究は少なく2), まだ充分には明らかにされていない. 一般的に, 動脈硬化などの石灰化病変と細胞死との関連性は以前からよく知られている. 最近, Kim3)がこれらの病的石灰化, さらに内軟骨性骨化などの生理的石灰化過程で, 細胞のアポトーシスに伴って生じたアポトーシス小体がmatrix vesicleの核となり石灰化の引き金となると報告するなど, 石灰化過程におけるアポトーシスの役割が注目されている. 歯髄組織におけるアポトーシスに関しては, Vermelinら4)がヒトとラットの抜去歯を対象にodontoblast layerとsub-odontoblast layerにTUNEL陽性細胞を検出したという報告がなされているだけで, 象牙質形成, あるいは第二象牙質や象牙粒の形成などの石灰化現象におけるアポトーシスの役割はまだ解明されていない.
ISSN:0385-1311
2424-1822
DOI:10.20663/iwateshigakukaishi.27.1_44