右側下顎歯肉に転移を来したラブドイド形質を伴う肺腫瘍の1例

背景.ラブドイド形質を伴う肺腫瘍は1999年のWHO肺胸膜腫瘍の分類で肺大細胞癌の特殊型に加えられていたが,2021年のWHO胸部腫瘍の分類においては,ラブドイド形質は細胞学的特徴とみなされており,ラブドイド形質を伴う肺腫瘍は特定の組織学的サブタイプに所属していない予後不良の稀な疾患である.報告が少なく,治療法はまだ確立されていない.症例.72歳女性.右側下顎歯肉腫脹があり生検を施行された.その後,胸部単純X線で異常陰影を認めたため,経気管支肺生検を施行し,右側下顎歯肉生検の結果と合わせて,右側下顎歯肉へ転移を来したラブドイド形質を伴う肺腫瘍と診断した.診断後,全身状態が悪化してきたため,口腔...

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Veröffentlicht in:肺癌 2024/04/20, Vol.64(2), pp.107-112
Hauptverfasser: 矢田, 吉城, 伊藤, 雄二, 中村, 智子, 寶來, 慎吾, 加藤, 俊男, 水野, 進
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.ラブドイド形質を伴う肺腫瘍は1999年のWHO肺胸膜腫瘍の分類で肺大細胞癌の特殊型に加えられていたが,2021年のWHO胸部腫瘍の分類においては,ラブドイド形質は細胞学的特徴とみなされており,ラブドイド形質を伴う肺腫瘍は特定の組織学的サブタイプに所属していない予後不良の稀な疾患である.報告が少なく,治療法はまだ確立されていない.症例.72歳女性.右側下顎歯肉腫脹があり生検を施行された.その後,胸部単純X線で異常陰影を認めたため,経気管支肺生検を施行し,右側下顎歯肉生検の結果と合わせて,右側下顎歯肉へ転移を来したラブドイド形質を伴う肺腫瘍と診断した.診断後,全身状態が悪化してきたため,口腔病変に対して放射線照射のみ行ったが,状態が急変し,診断30日後に永眠された.結論.歯肉へ転移を来したラブドイド形質を伴う肺腫瘍と考えられる稀な症例を経験した.ラブドイド形質を伴う肺腫瘍は進行が速く悪性度が高いが,治療に関して十分に検討されておらず,標準治療は確立されていない.そのため早期発見及び確立された有効な治療が望まれる.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.64.107