全肝照射により多発肝転移が縮小した治療抵抗性の進展型小細胞肺癌の1例
背景.肝転移は小細胞肺癌で発生頻度が高く予後不良因子である.近年,海外を中心に肝臓への緩和照射の有用性が報告されているが,国内で報告例は少なく普及していない.症例.76歳男性.進展型小細胞肺癌に対し20XX-1年6月下旬からカルボプラチン+エトポシド+デュルバルマブ療法を開始,6コース完遂後にデュルバルマブ維持療法中だった.原発巣,肝転移,傍大動脈リンパ節転移の増大のため20XX年2月下旬に治療変更目的に入院した.Sensitive relapseと考えカルボプラチン+エトポシド療法を行ったが,背部痛と黄疸が出現し増強,オピオイドを開始した.多発肝転移増大に伴う被膜伸展症状であり疼痛緩和目的の...
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Veröffentlicht in: | 肺癌 2023/12/20, Vol.63(7), pp.959-964 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.肝転移は小細胞肺癌で発生頻度が高く予後不良因子である.近年,海外を中心に肝臓への緩和照射の有用性が報告されているが,国内で報告例は少なく普及していない.症例.76歳男性.進展型小細胞肺癌に対し20XX-1年6月下旬からカルボプラチン+エトポシド+デュルバルマブ療法を開始,6コース完遂後にデュルバルマブ維持療法中だった.原発巣,肝転移,傍大動脈リンパ節転移の増大のため20XX年2月下旬に治療変更目的に入院した.Sensitive relapseと考えカルボプラチン+エトポシド療法を行ったが,背部痛と黄疸が出現し増強,オピオイドを開始した.多発肝転移増大に伴う被膜伸展症状であり疼痛緩和目的の全肝照射(21 Gy/7 fr)を行った.フレア現象で一過性疼痛増強がありオピオイドやステロイドを一時増量したが速やかに症状は軽快し独歩退院した.再入院しアムルビシン療法へ変更,全肝照射終了から約1か月時点で症状は軽快し多発肝転移も縮小している.結論.小細胞肺癌は放射線感受性が高く,低線量照射で効果が得られた.低線量では放射線肝障害が起こりにくく全肝照射は治療抵抗性の小細胞肺癌でも有用と考える. |
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ISSN: | 0386-9628 1348-9992 |
DOI: | 10.2482/haigan.63.959 |