多彩な陰影を呈した間質性肺炎合併腸型肺腺癌の1例

背景.腸型肺腺癌はまれな組織型で,多くは充実性で,非充実性の陰影を呈することはさらにまれである.症例.69歳,男性.55歳時より間質性肺炎でCTフォローされていた.4年後のCTで右肺下葉に新たな網状影が出現し,経時的に拡大してきたため,63歳時に部分切除を施行したが悪性所見は認めなかった.その後切除端近傍にconsolidationを認めたため,69歳時に右肺下葉切除を施行した.組織学的には大腸癌類似の腺癌で,免疫組織化学的に大腸癌の肺転移も鑑別にあげられた.その後の精査で肺野以外に病変がないため,腸型肺腺癌と診断した.結論.拡大する陰影は腫瘍性疾患との鑑別が問題となる.まれではあるが,非充実...

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Veröffentlicht in:肺癌 2022/10/20, Vol.62(5), pp.395-399
Hauptverfasser: 鈴木, 仁之, 庄村, 心, 田邉, 信, 井上, 健太郎, 島本, 亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.腸型肺腺癌はまれな組織型で,多くは充実性で,非充実性の陰影を呈することはさらにまれである.症例.69歳,男性.55歳時より間質性肺炎でCTフォローされていた.4年後のCTで右肺下葉に新たな網状影が出現し,経時的に拡大してきたため,63歳時に部分切除を施行したが悪性所見は認めなかった.その後切除端近傍にconsolidationを認めたため,69歳時に右肺下葉切除を施行した.組織学的には大腸癌類似の腺癌で,免疫組織化学的に大腸癌の肺転移も鑑別にあげられた.その後の精査で肺野以外に病変がないため,腸型肺腺癌と診断した.結論.拡大する陰影は腫瘍性疾患との鑑別が問題となる.まれではあるが,非充実性の陰影が拡大する腸型肺腺癌も存在することを念頭において,総合的に判断することが重要であると考えられた.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.62.395