オシメルチニブ投与中の肺腺癌に発症した多発性筋炎

背景.多発性筋炎に肺癌などの悪性腫瘍が合併することはよく知られているが,肺癌の治療中に多発性筋炎が発症するのは稀である.症例.58歳,女性.胸部異常陰影精査目的に来院し,肺腺癌cT4N2M1c stage IVB(骨)と診断された.EGFR遺伝子エクソン19欠失変異が検出され,オシメルチニブの投与を開始した.投与開始約1カ月後,腫瘍は縮小していたが近位筋のこわばりと高クレアチンキナーゼ(CK)血症が出現し,次第に症状が悪化した.入院して精査の結果,多発性筋炎と診断した.各々アファチニブによる化学療法とステロイド,免疫抑制剤,免疫グロブリン投与で病状は安定し,約2カ月後に退院した.結論.肺癌治療...

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Veröffentlicht in:肺癌 2021/08/20, Vol.61(4), pp.322-326
Hauptverfasser: 梶川, 茂久, 岡田, 洋平, 藤城, 英祐, 丹羽, 淳一, 伊藤, 理, 久保, 昭仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.多発性筋炎に肺癌などの悪性腫瘍が合併することはよく知られているが,肺癌の治療中に多発性筋炎が発症するのは稀である.症例.58歳,女性.胸部異常陰影精査目的に来院し,肺腺癌cT4N2M1c stage IVB(骨)と診断された.EGFR遺伝子エクソン19欠失変異が検出され,オシメルチニブの投与を開始した.投与開始約1カ月後,腫瘍は縮小していたが近位筋のこわばりと高クレアチンキナーゼ(CK)血症が出現し,次第に症状が悪化した.入院して精査の結果,多発性筋炎と診断した.各々アファチニブによる化学療法とステロイド,免疫抑制剤,免疫グロブリン投与で病状は安定し,約2カ月後に退院した.結論.肺癌治療中に多発性筋炎が発症することは稀である.肺癌の治療中に高CK血症を認めた場合,多発性筋炎の存在を考慮する必要があると思われた.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.61.322