薬剤性肺障害を反復するも異なる免疫チェックポイント阻害薬を継続投与し得た肺腺癌の1例

背景.免疫チェックポイント阻害薬の主たる有害事象として肺障害(checkpoint inhibitor pneumonitis:CIP)が報告されている.CIPにより免疫チェックポイント阻害薬を中止した後の再投与の有効性と安全性に関する報告は限定的である.症例.70歳男性.肺腺癌cStage IVBに対して,ペムブロリズマブを開始した.部分奏効を得たが,10コース終了後にGrade 2のCIPおよび副腎不全の合併を認めた.ペムブロリズマブの休薬,プレドニゾロンの投与によりCIPは改善したが,休薬中に左肺門リンパ節の腫大を認めた.化学療法の説明を行ったが,患者は免疫チェックポイント阻害薬を希望し...

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Veröffentlicht in:肺癌 2021/06/20, Vol.61(3), pp.201-207
Hauptverfasser: 山下, 将平, 三ツ村, 隆弘, 鈴木, 崇文, 榊原, 里江, 本多, 隆行, 宮崎, 泰成
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.免疫チェックポイント阻害薬の主たる有害事象として肺障害(checkpoint inhibitor pneumonitis:CIP)が報告されている.CIPにより免疫チェックポイント阻害薬を中止した後の再投与の有効性と安全性に関する報告は限定的である.症例.70歳男性.肺腺癌cStage IVBに対して,ペムブロリズマブを開始した.部分奏効を得たが,10コース終了後にGrade 2のCIPおよび副腎不全の合併を認めた.ペムブロリズマブの休薬,プレドニゾロンの投与によりCIPは改善したが,休薬中に左肺門リンパ節の腫大を認めた.化学療法の説明を行ったが,患者は免疫チェックポイント阻害薬を希望した.また,PD-L1 TPSが75%陽性でかつペムブロリズマブが奏効していたことから,同薬剤の持続的な効果を期待した.CIPの再燃のリスクを考慮してアテゾリズマブを開始した.6コース終了後に再度CIPを認めたが,Grade 1であり投与を継続した.CIPは増悪せずに18コース投与中である.結論.肺腺癌に対して,CIPを反復しながらも異なる免疫チェックポイント阻害薬を投与継続し得た1例を経験した.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.61.201