ニボルマブ治療中にPseudoprogressionを認めた肺腺癌の1例

背景.免疫チェックポイント阻害薬は非小細胞肺癌における有効な治療方法の1つとなっている.殺細胞性抗癌剤と異なる点として,一定の症例において腫瘍が増大した後に縮小するpseudoprogression(偽進行)が起きることがある.症例.57歳,男性,肺腺癌術後再発.3次治療としてニボルマブを投与した.初回投与直後にインフュージョンリアクションの出現あり.4コース投与後のCTでは,腫瘍内部に低濃度領域の出現を認めたものの,腫瘍は増大しPDと考えられた.しかし,腫瘍マーカーは低下しており,治療を継続した.8コース投与後には,腫瘍径はさらに増大したものの,腫瘍内部の低濃度領域は増大し,腫瘍マーカーはさ...

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Veröffentlicht in:肺癌 2019/02/20, Vol.59(1), pp.60-65
Hauptverfasser: 中村, 敦, 相羽, 智生, 川名, 祥子, 齊藤, 亮平, 戸井, 之裕, 菅原, 俊一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.免疫チェックポイント阻害薬は非小細胞肺癌における有効な治療方法の1つとなっている.殺細胞性抗癌剤と異なる点として,一定の症例において腫瘍が増大した後に縮小するpseudoprogression(偽進行)が起きることがある.症例.57歳,男性,肺腺癌術後再発.3次治療としてニボルマブを投与した.初回投与直後にインフュージョンリアクションの出現あり.4コース投与後のCTでは,腫瘍内部に低濃度領域の出現を認めたものの,腫瘍は増大しPDと考えられた.しかし,腫瘍マーカーは低下しており,治療を継続した.8コース投与後には,腫瘍径はさらに増大したものの,腫瘍内部の低濃度領域は増大し,腫瘍マーカーはさらに低下,全身状態は改善傾向にあり,治療は有効と判断した.12コース投与後に腫瘍の縮小を認め,PRとなった.結論.免疫チェックポイント阻害薬治療においては,真の進行とpseudoprogressionの見極めが重要となる.画像上増悪を認めても,腫瘍マーカーの低下,腫瘍内部の低濃度領域の出現,irAEの出現を認める際はpseudoprogressionの可能性も考慮し,治療の継続を判断した方が良いと思われる.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.59.60