左肺全摘後,体外式肺補助下に胸腔鏡下右肺区域切除を行った1例

背景.異時性多発肺癌に対する3回以上の解剖学的肺切除や,片肺全摘後の残肺解剖学的切除例の報告はいまだ少ない.症例.66歳男性.50歳時に左上葉肺癌(肺癌取扱い規約第8版:微小浸潤性腺癌,stage IA1)に対して左上葉切除術,61歳時に左下葉異時性多発肺癌(微小浸潤性腺癌,stage IA1)に対して左下葉切除術の既往があった.定期検診で胸部異常陰影を指摘された.術前残存肺呼吸機能は肺活量2.32 l,1秒量1.59 lであった.組織学的な確定診断は得られなかったが,CT所見から原発性肺癌が強く疑われたため,体外式肺補助(ECLA)下に胸腔鏡下右S6区域切除を施行した.術後合併症はなく,術後...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:肺癌 2018/08/20, Vol.58(4), pp.298-302
Hauptverfasser: 多田, 周, 高橋, 有毅, 槙, 龍之輔, 三品, 泰二郎, 宮島, 正博, 渡辺, 敦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:背景.異時性多発肺癌に対する3回以上の解剖学的肺切除や,片肺全摘後の残肺解剖学的切除例の報告はいまだ少ない.症例.66歳男性.50歳時に左上葉肺癌(肺癌取扱い規約第8版:微小浸潤性腺癌,stage IA1)に対して左上葉切除術,61歳時に左下葉異時性多発肺癌(微小浸潤性腺癌,stage IA1)に対して左下葉切除術の既往があった.定期検診で胸部異常陰影を指摘された.術前残存肺呼吸機能は肺活量2.32 l,1秒量1.59 lであった.組織学的な確定診断は得られなかったが,CT所見から原発性肺癌が強く疑われたため,体外式肺補助(ECLA)下に胸腔鏡下右S6区域切除を施行した.術後合併症はなく,術後14日目に退院した.組織学的診断は上皮内腺癌であった.結論.ECLAの使用により,左肺全摘後,右肺に出現した異時性肺癌(3重癌)に対し,安全に胸腔鏡下区域切除を施行することが可能であった.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.58.298