小細胞癌の混在が疑われ経過中に腫瘍マーカーと組織所見の変化を呈した肺腺癌の1例
背景.小細胞癌の10%において非小細胞肺癌との混在が観察されることが報告されている.症例.症例は68歳男性.右肺の腫瘤影に対し生検が行われた.腺腔構造を形成する腫瘍細胞が認められ腺癌と診断されたが,核/細胞質比の高い腫瘍細胞の増殖が一部に認められ,小細胞癌の混在が疑われた.免疫染色ではTTF-1が陽性で神経内分泌マーカーは陰性であり,血清検査ではCEAが高値でpro-GRPは正常範囲であった.ペメトレキセドを含む抗癌剤治療により長期間病勢が制御されたが,経過中に肝転移とpro-GRPの著明な上昇が認められた.肝生検では裸核状の腫瘍細胞が認められ,TTF-1と複数の神経内分泌腫瘍マーカーが陽性で...
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Veröffentlicht in: | 肺癌 2018/06/20, Vol.58(3), pp.227-230 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.小細胞癌の10%において非小細胞肺癌との混在が観察されることが報告されている.症例.症例は68歳男性.右肺の腫瘤影に対し生検が行われた.腺腔構造を形成する腫瘍細胞が認められ腺癌と診断されたが,核/細胞質比の高い腫瘍細胞の増殖が一部に認められ,小細胞癌の混在が疑われた.免疫染色ではTTF-1が陽性で神経内分泌マーカーは陰性であり,血清検査ではCEAが高値でpro-GRPは正常範囲であった.ペメトレキセドを含む抗癌剤治療により長期間病勢が制御されたが,経過中に肝転移とpro-GRPの著明な上昇が認められた.肝生検では裸核状の腫瘍細胞が認められ,TTF-1と複数の神経内分泌腫瘍マーカーが陽性であったことからカルボプラチン+エトポシドが開始された.結論.本症例は,腫瘍マーカーの変化が再生検の契機となり治療レジメンの決定に寄与した1例であった. |
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ISSN: | 0386-9628 1348-9992 |
DOI: | 10.2482/haigan.58.227 |