von Recklinghausen病に合併した悪性末梢神経鞘腫術後の高悪性度肺転移の1切除例

背景.悪性末梢神経鞘腫における転移病巣は肺が最多であり,完全切除により長期生存が期待できる可能性があるが,手術適応に関しては慎重に判断する必要がある.症例.23歳,男性.生下時にvon Recklinghausen病と診断された.2015年に鼻根部腫瘍を切除され,悪性末梢神経鞘腫と診断された.2017年4月に右胸痛のため撮影した胸部単純X線で左下肺野に結節影を認め,CTでは左肺下葉と左副腎に腫瘍を認めた.PET-CTでは肺,副腎の両病変に高集積を認めた.気管支鏡検査では悪性細胞を認めなかったが経過と画像から肺の悪性腫瘍を疑い,確定診断と治療目的に左肺S8区域切除を施行し,悪性末梢神経鞘腫の転移...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:肺癌 2018/06/20, Vol.58(3), pp.211-215
Hauptverfasser: 鈴木, 尚樹, 正岡, 俊明, 佐藤, 昂, 河上, 英則, 内ヶ崎, 新也, 和泉, 典子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:背景.悪性末梢神経鞘腫における転移病巣は肺が最多であり,完全切除により長期生存が期待できる可能性があるが,手術適応に関しては慎重に判断する必要がある.症例.23歳,男性.生下時にvon Recklinghausen病と診断された.2015年に鼻根部腫瘍を切除され,悪性末梢神経鞘腫と診断された.2017年4月に右胸痛のため撮影した胸部単純X線で左下肺野に結節影を認め,CTでは左肺下葉と左副腎に腫瘍を認めた.PET-CTでは肺,副腎の両病変に高集積を認めた.気管支鏡検査では悪性細胞を認めなかったが経過と画像から肺の悪性腫瘍を疑い,確定診断と治療目的に左肺S8区域切除を施行し,悪性末梢神経鞘腫の転移と診断した.S100蛋白陽性細胞が鼻根部腫瘍に比して少なく,MIB-1 labeling indexは高値であり,免疫染色上,悪性度が増したことが示唆された.その後は左副腎・左腎腫瘍摘出術を施行したが,急速な病勢の進行のため8月に死亡した.結論.悪性末梢神経鞘腫術後の再転移では,病理組織像や免疫染色の結果から悪性度を評価し,手術適応を慎重に判断する必要がある.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.58.211