左上下葉間にまたがり存在した肺腺癌の1例

背景.現在肺癌に対する標準術式は肺葉切除および肺門・縦隔リンパ節郭清であるが,葉間部を中心に両葉に存在する肺癌に対する術式は定まっていない.症例.73歳,女性.動悸,息切れのために施行した胸部CTで異常影を指摘され,気管支鏡検査で異型腺腫様過形成(肺癌否定できず)の診断であった.病変は左S1+2とS6に葉間部をまたいで存在しており,1秒量1.47 lを考慮して胸腔鏡下S1+2およびS6区域切除を施行した.病理検査で病変は肺腺癌であり,癌は胸膜途絶(葉間不全分葉)部から連続性に他肺葉に進展していた.術後2年再発を認めていない.結語.葉間部に存在する肺癌において,区域切除は選択肢の一つになり得ると...

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Veröffentlicht in:肺癌 2017/06/20, Vol.57(3), pp.201-204
Hauptverfasser: 深井, 隆太, 杉本, 栄康, 武田, 宏太郎, 工藤, まどか, 手島, 伸一, 増永, 敦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.現在肺癌に対する標準術式は肺葉切除および肺門・縦隔リンパ節郭清であるが,葉間部を中心に両葉に存在する肺癌に対する術式は定まっていない.症例.73歳,女性.動悸,息切れのために施行した胸部CTで異常影を指摘され,気管支鏡検査で異型腺腫様過形成(肺癌否定できず)の診断であった.病変は左S1+2とS6に葉間部をまたいで存在しており,1秒量1.47 lを考慮して胸腔鏡下S1+2およびS6区域切除を施行した.病理検査で病変は肺腺癌であり,癌は胸膜途絶(葉間不全分葉)部から連続性に他肺葉に進展していた.術後2年再発を認めていない.結語.葉間部に存在する肺癌において,区域切除は選択肢の一つになり得ると思われた.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.57.201