原発巣より末梢側の胸膜直下肺内リンパ節転移を伴う肺扁平上皮癌の1例

背景.画像診断学の進歩に伴い肺野末梢の小結節を指摘される機会が増加し,その鑑別に苦慮することがある.症例.65歳,男性.健診の胸部X線写真で両側下肺野に網状影を指摘され,精査の胸部CTで右S8に径12 mmの辺縁不整な結節,その末梢側胸膜直下に径10 mmの結節を指摘された.気管支鏡検査で中枢側結節に悪性所見は認めなかったが,FDG-PETで異常集積を認めた.胸膜直下の結節には集積を認めなかった.経過で中枢の結節は23 mm,末梢の結節は22 mmに増大した.FDG-PETの結果から,中枢の結節は肺癌,胸膜直下の結節は炎症性結節と考え,cT1bN0M0,stage IAと診断し,胸腔鏡下右下葉...

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Veröffentlicht in:肺癌 2016/12/20, Vol.56(7), pp.1051-1056
Hauptverfasser: 寺田, 志洋, 椎名, 隆之, 吾妻, 寛之, 兵庫谷, 章, 濱中, 一敏, 砥石, 政幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.画像診断学の進歩に伴い肺野末梢の小結節を指摘される機会が増加し,その鑑別に苦慮することがある.症例.65歳,男性.健診の胸部X線写真で両側下肺野に網状影を指摘され,精査の胸部CTで右S8に径12 mmの辺縁不整な結節,その末梢側胸膜直下に径10 mmの結節を指摘された.気管支鏡検査で中枢側結節に悪性所見は認めなかったが,FDG-PETで異常集積を認めた.胸膜直下の結節には集積を認めなかった.経過で中枢の結節は23 mm,末梢の結節は22 mmに増大した.FDG-PETの結果から,中枢の結節は肺癌,胸膜直下の結節は炎症性結節と考え,cT1bN0M0,stage IAと診断し,胸腔鏡下右下葉部分切除術を行った.術中病理検査で中枢側の結節は扁平上皮癌と診断されたため,右下葉切除,ND2a-1を行った.末梢側の結節は肺内リンパ節転移であり,pT2aN1M0,stage IIAと診断した.結論.末梢肺野の結節影の診断において肺内リンパ節を鑑別に挙げる必要もあり,同時に肺癌を疑う場合には,末梢肺野の肺内リンパ節転移の可能性も考慮し,部分切除による早期の確定診断を検討する必要がある.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.56.1051