肺癌と鑑別を要した肺クリプトコッカス症の2例

背景.肺クリプトコッカス症は肺内に単発の結節影を呈することがあり,しばしば肺癌との鑑別が問題になる.最近,孤立性肺結節影を呈した肺クリプトコッカス症の2例を経験したので報告する.症例.症例1は検診で胸部異常陰影を指摘され,症例2は高血圧で通院中に撮影した胸部X線にて指摘された.胸部CTでは,ともに散布影を認めず,spiculationと胸膜陥入を伴うとともに増大傾向を示した.肺癌が疑われたが,気管支鏡検査で診断がつかず,外科的切除を施行し,肺クリプトコッカス症の診断がついた.術後3か月間アゾール系真菌薬で治療し,再発を認めていない.結論.肺癌が疑われた肺クリプトコッカス症の2例を経験した.肺ク...

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Veröffentlicht in:肺癌 2015/12/20, Vol.55(7), pp.1075-1079
Hauptverfasser: 早川, 正宣, 尾田, 一之, 宇田, 裕史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景.肺クリプトコッカス症は肺内に単発の結節影を呈することがあり,しばしば肺癌との鑑別が問題になる.最近,孤立性肺結節影を呈した肺クリプトコッカス症の2例を経験したので報告する.症例.症例1は検診で胸部異常陰影を指摘され,症例2は高血圧で通院中に撮影した胸部X線にて指摘された.胸部CTでは,ともに散布影を認めず,spiculationと胸膜陥入を伴うとともに増大傾向を示した.肺癌が疑われたが,気管支鏡検査で診断がつかず,外科的切除を施行し,肺クリプトコッカス症の診断がついた.術後3か月間アゾール系真菌薬で治療し,再発を認めていない.結論.肺癌が疑われた肺クリプトコッカス症の2例を経験した.肺クリプトコッカス症は,肺癌との画像所見上の鑑別が困難なことが多い.肺癌が否定できない症例では,診断と治療を兼ねた外科的切除が有用であると考える.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.55.1075