ALK-TKI耐性に対する治療法の開発と現状

2007年にALK融合遺伝子陽性肺癌が報告され,2010年にはALKチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるCrizotinib(ザーコリ®)の有効性が報告されたことより,2012年には本邦においても日常臨床に導入されるようになった.また,2014年にはAlectinib(アレセンサ®)が世界に先駆けて臨床導入されている.その一方で,2010年には早くも獲得耐性のメカニズムとしてのALK融合遺伝子における二次変異が報告された.ALK-TKIに対する獲得耐性のメカニズムとしては,ゲートキーパー変異を含む二次変異やALK融合遺伝子増幅,バイパス経路の活性化などが考えられているが,いまだ明らかとなって...

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Veröffentlicht in:肺癌 2015/10/20, Vol.55(6), pp.936-940
1. Verfasser: 服部, 剛弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:2007年にALK融合遺伝子陽性肺癌が報告され,2010年にはALKチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるCrizotinib(ザーコリ®)の有効性が報告されたことより,2012年には本邦においても日常臨床に導入されるようになった.また,2014年にはAlectinib(アレセンサ®)が世界に先駆けて臨床導入されている.その一方で,2010年には早くも獲得耐性のメカニズムとしてのALK融合遺伝子における二次変異が報告された.ALK-TKIに対する獲得耐性のメカニズムとしては,ゲートキーパー変異を含む二次変異やALK融合遺伝子増幅,バイパス経路の活性化などが考えられているが,いまだ明らかとなっていない部分も多い.今後の日常臨床においてもそれぞれの獲得耐性別の治療戦略が必要と考えられており,2015年現在様々な臨床試験が計画・遂行されているが,これらALK-TKI耐性に対する治療法の開発と現状につき現時点での知見をもとに記載する.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.55.936