肺小細胞癌に対する放射線化学療法11年後,照射野内に発生した肺扁平上皮癌に対して肺切除術を施行した1例
背景.近年,癌治療の向上で癌患者の長期生存例は増加傾向にある.しかし一方で多重癌の報告が散見されるようになり問題となっている.症例.77歳男性.右上葉小細胞肺癌(cT1aN3M0,Stage IIIB)に対してCisplatin+etoposideによる化学療法4コースと46 Gyの放射線療法を施行した.以後再燃なく経過観察が行われていた.初回治療から11年後に咳,痰,胸痛を認め精査を行った結果,右上葉肺癌cT2aN0M0,cStage IB:左上葉肺癌cT1aN0M0,cStage IA:喉頭癌cT1N0M0,cStage IAの重複癌の出現を認めた.まずは最も進行度の高い右肺癌に対して右肺...
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Veröffentlicht in: | 肺癌 2015/06/20, Vol.55(3), pp.171-175 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.近年,癌治療の向上で癌患者の長期生存例は増加傾向にある.しかし一方で多重癌の報告が散見されるようになり問題となっている.症例.77歳男性.右上葉小細胞肺癌(cT1aN3M0,Stage IIIB)に対してCisplatin+etoposideによる化学療法4コースと46 Gyの放射線療法を施行した.以後再燃なく経過観察が行われていた.初回治療から11年後に咳,痰,胸痛を認め精査を行った結果,右上葉肺癌cT2aN0M0,cStage IB:左上葉肺癌cT1aN0M0,cStage IA:喉頭癌cT1N0M0,cStage IAの重複癌の出現を認めた.まずは最も進行度の高い右肺癌に対して右肺上中葉+上大静脈部分切除を施行した.術後の呼吸機能低下があり,左肺癌の手術は困難と判断したため,左肺癌に対しては66 Gyの放射線療法を施行し,その後喉頭癌に対しても66 Gyの放射線療法を施行した.結論.小細胞肺癌に対して化学放射線療法後に重複癌を認めた症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0386-9628 1348-9992 |
DOI: | 10.2482/haigan.55.171 |