後縦隔腫瘍との鑑別を要した悪性胸膜中皮腫の1例

背景.後縦隔腫瘍として,悪性中皮腫は稀である.症例.81歳男性.腰痛を主訴に受診し,胸部単純CTにて右胸膜結節ならびに第11胸椎に椎体骨破壊像を伴う後縦隔傍椎体腫瘍を認めた.胸膜結節に対して悪性胸膜病変を疑い胸腔鏡下胸膜生検を行い,悪性胸膜中皮腫と診断した.後縦隔腫瘍について病理診断は未施行であったが,骨髄穿刺にて非ホジキンリンパ腫の骨髄浸潤を認めたことから,後縦隔腫瘍は当初リンパ腫を疑った.悪性胸膜中皮腫に対し抗癌剤治療,後縦隔腫瘍に対し放射線治療を開始したが,放射線治療効果が乏しいことから治療途中に縦隔CTガイド下針生検を施行し,悪性中皮腫の診断が得られた.以上より後縦隔部腫瘤原発の悪性中...

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Veröffentlicht in:肺癌 2014, Vol.54(4), pp.218-225
Hauptverfasser: 米田, 太郎, 木場, 隼人, 酒井, 珠美, 山崎, 雅英, 上田, 善道, 笠原, 寿郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.後縦隔腫瘍として,悪性中皮腫は稀である.症例.81歳男性.腰痛を主訴に受診し,胸部単純CTにて右胸膜結節ならびに第11胸椎に椎体骨破壊像を伴う後縦隔傍椎体腫瘍を認めた.胸膜結節に対して悪性胸膜病変を疑い胸腔鏡下胸膜生検を行い,悪性胸膜中皮腫と診断した.後縦隔腫瘍について病理診断は未施行であったが,骨髄穿刺にて非ホジキンリンパ腫の骨髄浸潤を認めたことから,後縦隔腫瘍は当初リンパ腫を疑った.悪性胸膜中皮腫に対し抗癌剤治療,後縦隔腫瘍に対し放射線治療を開始したが,放射線治療効果が乏しいことから治療途中に縦隔CTガイド下針生検を施行し,悪性中皮腫の診断が得られた.以上より後縦隔部腫瘤原発の悪性中皮腫が右胸膜に転移をきたした可能性が考えられた.全身化学療法ならびに局所放射線療法を併用し,腫瘍の増大なく経過している.結論.胸膜結節ならびに後縦隔腫瘍に関して,他の後縦隔腫瘍との鑑別が困難であったが,胸腔鏡下胸膜生検とCTガイド下縦隔生検にて診断し得た.後縦隔に悪性中皮腫が浸潤する症例は稀であり,非ホジキンリンパ腫と悪性中皮腫の関連性は不明であった.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.54.218