肺癌・直腸癌術後に生じた胸腺類基底細胞癌の1例

背景.胸腺癌は稀な腫瘍で,その中でも類基底細胞癌の頻度は少ない.症例.71歳,男性.肺癌と直腸癌術後の定期検査でCEAの上昇と前縦隔に嚢胞性病変を伴う腫瘍を認め,PET-CT検査ではこの腫瘍にのみ,SUV max 8.4の集積を認めた.診断・治療目的に胸骨正中切開による縦隔腫瘍摘出術を施行.病理組織学的に胸腺類基底細胞癌,pT2N0M0,stage II,正岡分類II期であった.術後に放射線療法を追加し,CEAは一度は正常範囲内となったが,その再上昇に伴い,術後13か月で多発性骨転移と右副腎転移が確認された.現在は骨転移への緩和放射線治療中である.結論.肺癌と直腸癌術後に発症した,胸腺類基底細...

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Veröffentlicht in:肺癌 2013, Vol.53(6), pp.751-754
Hauptverfasser: 中野, 智之, 石川, 成美, 齊藤, 紀子, 蘇原, 泰則, 黒田, 一, 遠藤, 俊輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.胸腺癌は稀な腫瘍で,その中でも類基底細胞癌の頻度は少ない.症例.71歳,男性.肺癌と直腸癌術後の定期検査でCEAの上昇と前縦隔に嚢胞性病変を伴う腫瘍を認め,PET-CT検査ではこの腫瘍にのみ,SUV max 8.4の集積を認めた.診断・治療目的に胸骨正中切開による縦隔腫瘍摘出術を施行.病理組織学的に胸腺類基底細胞癌,pT2N0M0,stage II,正岡分類II期であった.術後に放射線療法を追加し,CEAは一度は正常範囲内となったが,その再上昇に伴い,術後13か月で多発性骨転移と右副腎転移が確認された.現在は骨転移への緩和放射線治療中である.結論.肺癌と直腸癌術後に発症した,胸腺類基底細胞癌の1例を報告した.先行する他臓器の悪性腫瘍があっても,孤立性の嚢胞状変化を伴う前縦隔病変では,胸腺由来の原発腫瘍を考え,診断治療に臨むべきである.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.53.751