ベバシズマブ併用療法の経過中に気胸を生じた肉腫様肺癌の1例

背景.原発性肺癌に対する化学療法中の気胸は稀な合併症である.症例.症例は73歳男性.定期検診の胸部単純X線写真で左上肺野胸膜直下に異常陰影を指摘され,2年後の胸部CTで左胸膜腫瘤の増大,縦隔リンパ節腫大を認めたため胸腔鏡下胸膜生検を行い,肉腫様肺癌stage IV(T2aN3M1a)と診断した.初回治療として,カルボプラチンとパクリタキセルにベバシズマブを併用した化学療法を行い,腫瘍縮小効果を認めたが,3コース投与後気胸を発症したため,4コース目のベバシズマブ併用を中止した.4コース目施行後,腫瘍の増大を認め,二次治療としてペメトレキセドを選択したが,3コース後に進行した.S-1にベバシズマブ...

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Veröffentlicht in:肺癌 2012, Vol.52(7), pp.1041-1046
Hauptverfasser: 兒玉, 愛梨, 土井, 美帆子, 濱井, 宏介, 舟木, 将雅, 上綱, 雅一, 土井, 正男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.原発性肺癌に対する化学療法中の気胸は稀な合併症である.症例.症例は73歳男性.定期検診の胸部単純X線写真で左上肺野胸膜直下に異常陰影を指摘され,2年後の胸部CTで左胸膜腫瘤の増大,縦隔リンパ節腫大を認めたため胸腔鏡下胸膜生検を行い,肉腫様肺癌stage IV(T2aN3M1a)と診断した.初回治療として,カルボプラチンとパクリタキセルにベバシズマブを併用した化学療法を行い,腫瘍縮小効果を認めたが,3コース投与後気胸を発症したため,4コース目のベバシズマブ併用を中止した.4コース目施行後,腫瘍の増大を認め,二次治療としてペメトレキセドを選択したが,3コース後に進行した.S-1にベバシズマブを併用した三次治療を開始し,現在,気胸の再発なく,6コースまで腫瘍の増大なく継続している.結語.肉腫様肺癌に対し,ベバシズマブ併用療法が奏効し,腫瘍縮小に伴う続発性気胸を来した.気胸改善後,ベバシズマブ再投与による気胸の再燃なく,腫瘍の進行抑制を認めた.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.52.1041