肺非結核性抗酸菌症による肉芽腫と肺腺癌を同一病巣内に認めた1例

背景.肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)は増加傾向であり,それとともに肺癌との合併例の報告も増えている.症例.74歳男性.人間ドックの胸部CTで左肺S4に孤立性の腫瘤影を指摘された.気管支鏡検査では,擦過細胞診にて腺癌の疑いであった.また,気管支洗浄液の培養とPCRにてMycobacterium avium complexが検出された.術中の針生検による迅速病理診断では肉芽腫のみの所見であったため,舌区区域切除を施行して手術を終了した.切除肺の病理診断では,肺NTM症による肉芽腫に隣接して肺腺癌が同一病巣内に認められた.結語.肺癌と肺NTM症が同時に疑われる場合,針生検による術中迅速病理診断は時...

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Veröffentlicht in:肺癌 2012, Vol.52(2), pp.238-241
Hauptverfasser: 尾関, 直樹, 福井, 高幸, 丹羽, 由紀子, 吉田, 公秀, 谷田部, 恭, 光冨, 徹哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)は増加傾向であり,それとともに肺癌との合併例の報告も増えている.症例.74歳男性.人間ドックの胸部CTで左肺S4に孤立性の腫瘤影を指摘された.気管支鏡検査では,擦過細胞診にて腺癌の疑いであった.また,気管支洗浄液の培養とPCRにてMycobacterium avium complexが検出された.術中の針生検による迅速病理診断では肉芽腫のみの所見であったため,舌区区域切除を施行して手術を終了した.切除肺の病理診断では,肺NTM症による肉芽腫に隣接して肺腺癌が同一病巣内に認められた.結語.肺癌と肺NTM症が同時に疑われる場合,針生検による術中迅速病理診断は時に困難である.本症例では確定診断に切除肺の病理診断が必要であった.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.52.238