切除後2年生存を得られた巨大肺癌肉腫の1例
背景.肺癌肉腫は,一般的に予後不良とされる稀な悪性腫瘍である.治療については症例数が少なく,また術前診断が困難であるため,確立されたものがない.症例.64歳男性.血痰を主訴に受診し,右肺に径17 cm大の巨大腫瘤と肺門部リンパ節腫大を指摘された.臨床診断は非小細胞肺癌を疑い,cT3N1M0,stage IIIAと診断した.胸骨正中切開ならびに右横切開を加えて右肺全摘除術を施行した.術後の病理診断でpT3(最大径17 cm)N0M0,stage IIB,肺癌肉腫と診断された.術後は補助療法を施行せずに経過観察していた.術後24ヶ月で肺炎,呼吸不全にて死亡したが,死亡直前まで明らかな再発や遠隔転移...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 肺癌 2012, Vol.52(1), pp.43-48 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 背景.肺癌肉腫は,一般的に予後不良とされる稀な悪性腫瘍である.治療については症例数が少なく,また術前診断が困難であるため,確立されたものがない.症例.64歳男性.血痰を主訴に受診し,右肺に径17 cm大の巨大腫瘤と肺門部リンパ節腫大を指摘された.臨床診断は非小細胞肺癌を疑い,cT3N1M0,stage IIIAと診断した.胸骨正中切開ならびに右横切開を加えて右肺全摘除術を施行した.術後の病理診断でpT3(最大径17 cm)N0M0,stage IIB,肺癌肉腫と診断された.術後は補助療法を施行せずに経過観察していた.術後24ヶ月で肺炎,呼吸不全にて死亡したが,死亡直前まで明らかな再発や遠隔転移を認めなかった.結論.比較的大きな肺癌肉腫に対し完全切除し得た1症例を経験した.術後補助療法を加えることなく2年間無再発であった.予後不良とされる巨大肺癌肉腫においても,完全切除により予後の改善を期待しうることを経験し,文献的考察を加え報告した. |
---|---|
ISSN: | 0386-9628 1348-9992 |
DOI: | 10.2482/haigan.52.43 |