原発性非小細胞肺癌におけるWntシグナルとEGFRシグナルの同期的異常

目的.非小細胞肺癌においてWntシグナルとEGFRシグナルの異常亢進について包括的に検討した.対象と方法.238例の非小細胞肺癌手術症例でWntシグナル関連遺伝子(sFRP-1,sFRP-2,sFRP-5,Wif-1,Dkk-3)の異常メチル化とEGFR·KRAS変異を調べた.うち91例でβカテニンの免疫組織学的検討を行った.結果.腫瘍特異的なWntシグナル関連遺伝子異常メチル化を高頻度に認めた(13∼52%).sFRP-2異常メチル化は女性,非喫煙者,腺癌に高頻度に認めた.Dkk-3異常メチル化は腺癌症例で予後不良因子となった.EGFR変異とβカテニン核内異常集積に相関を認めた.KRAS変異...

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Veröffentlicht in:肺癌 2009, Vol.49(4), pp.416-421
Hauptverfasser: 鈴木, 実, 重松, 久之, 中島, 崇裕, 本橋, 新一郎, 関根, 康雄, 渋谷, 潔, 飯笹, 俊彦, 廣島, 健三, 中谷, 行雄, 藤沢, 武彦, 吉野, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的.非小細胞肺癌においてWntシグナルとEGFRシグナルの異常亢進について包括的に検討した.対象と方法.238例の非小細胞肺癌手術症例でWntシグナル関連遺伝子(sFRP-1,sFRP-2,sFRP-5,Wif-1,Dkk-3)の異常メチル化とEGFR·KRAS変異を調べた.うち91例でβカテニンの免疫組織学的検討を行った.結果.腫瘍特異的なWntシグナル関連遺伝子異常メチル化を高頻度に認めた(13∼52%).sFRP-2異常メチル化は女性,非喫煙者,腺癌に高頻度に認めた.Dkk-3異常メチル化は腺癌症例で予後不良因子となった.EGFR変異とβカテニン核内異常集積に相関を認めた.KRAS変異とWntシグナル関連遺伝子異常メチル化に相関を認めた.Wntシグナル関連遺伝子異常メチル化のない症例ではEGFR変異は予後良好因子となった.結論.上記所見はWntシグナルとEGFRシグナルの同期的異常の存在を示唆し,本研究は非小細胞肺癌治療の基礎的データとなることが期待される.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.49.416