FDG-PETを契機に脊髄内転移の診断が可能であった肺小細胞癌の1例

背景.肺癌の脊髄内転移は稀であるが,急速に神経症状が進行し,QOLを著明に損ねる重篤な病態である.症例.症例は65歳,男性.2006年4月,右顎下部の腫瘤を主訴に精査入院.左下葉原発肺小細胞癌(cT2N1M1,右顎下リンパ節転移)と診断した.6月よりCisplatin(CDDP)+Irinotecan(CPT-11)を4コース施行し,complete responseとなり以後,外来通院していた.2007年4月,下肢の脱力としびれが急速に進行し来院.18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography(FDG-PET)で頸髄および下部胸髄に限局...

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Veröffentlicht in:肺癌 2008, Vol.48(4), pp.279-284
Hauptverfasser: 鏑木, 教平, 磯部, 和順, 石田, 文昭, 阪口, 真之, 高井, 雄二郎, 本間, 栄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺癌の脊髄内転移は稀であるが,急速に神経症状が進行し,QOLを著明に損ねる重篤な病態である.症例.症例は65歳,男性.2006年4月,右顎下部の腫瘤を主訴に精査入院.左下葉原発肺小細胞癌(cT2N1M1,右顎下リンパ節転移)と診断した.6月よりCisplatin(CDDP)+Irinotecan(CPT-11)を4コース施行し,complete responseとなり以後,外来通院していた.2007年4月,下肢の脱力としびれが急速に進行し来院.18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography(FDG-PET)で頸髄および下部胸髄に限局性の異常集積を指摘された.脊髄MRIで,頸髄,胸髄に造影効果のある結節性病変を4ヶ所に認め,多発髄内転移と診断した.Carboplatin(CBDCA)+Etoposide(VP-16)を2コースと頸髄に放射線療法を施行し,髄内転移巣の著明な縮小と臨床症状の改善を認めた.結論.肺小細胞癌の多発髄内転移の検出にFDG-PETが有用であった.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.48.279