肺多形癌切除7例の臨床病理学的検討と抗癌剤感受性試験の結果について

目的.肺多形癌7例について臨床病理学的検討とともに肺切除検体を用いた抗癌剤感受性試験(HDRA:histoculture drug response assay)の検討を行い,その結果を基にドセタキセル(DTX)の抗癌剤治療による奏効例を経験したので報告する.対象と方法.対象は1999年1月~2006年12月の期間に肺切除を行い,肺多形癌と診断された7例である.HDRA法は肺切除時に検体採取を行い感受性を調べた.結果.多形癌患者の平均年齢は70.4歳(男性6例,女性1例)で全例喫煙者であった.平均腫瘍径は7.0 cm,全例が末梢肺発生型で,pT2―5例,胸壁浸潤に伴うpT3―2例,pN0―2例...

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Veröffentlicht in:肺癌 2008, Vol.48(2), pp.106-111
Hauptverfasser: 川野, 亮二, 日野, 春秋, 星野, 竜広, 田川, 公平, 横田, 俊也, 池田, 晋悟, 羽田, 圓城
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的.肺多形癌7例について臨床病理学的検討とともに肺切除検体を用いた抗癌剤感受性試験(HDRA:histoculture drug response assay)の検討を行い,その結果を基にドセタキセル(DTX)の抗癌剤治療による奏効例を経験したので報告する.対象と方法.対象は1999年1月~2006年12月の期間に肺切除を行い,肺多形癌と診断された7例である.HDRA法は肺切除時に検体採取を行い感受性を調べた.結果.多形癌患者の平均年齢は70.4歳(男性6例,女性1例)で全例喫煙者であった.平均腫瘍径は7.0 cm,全例が末梢肺発生型で,pT2―5例,胸壁浸潤に伴うpT3―2例,pN0―2例,pN1―5例であった.組織学的には全例腺癌成分をもち,6例は紡錘形細胞/巨細胞成分が腫瘍領域の多くを占め,全例に脈管侵襲を伴った.予後は約2年の観察期間で他病死を除いた5例中2例が遠隔転移(腸管,脳など)および局所再発を来し,このうち1例はDTX単剤(60 mg/m2,3週毎),2コース投与でpathological CRを得た.7例中4例に感受性試験を行い,タキサン系抗癌剤の感受性が高かった.結論.肺多形癌症例は比較的類似した臨床病理学的特徴を有した.再発した1例に抗癌剤感受性試験結果に基づきDTXを使用した結果,臨床的に優れた治療効果を得ることが可能であった.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.48.106