集学的治療を行った胸腺肉腫様癌の1例

背景.胸腺肉腫様癌は極めて稀な悪性腫瘍であり,未だ治療方法も確立されておらず,予後不良な疾患である.集学的治療を行った胸腺肉腫様癌の1例を経験したので報告する.症例.54歳男性.2002年10月胸部X線検査にて左胸部巨大腫瘤影を発見され入院となる.超音波下経皮針生検にて悪性奇形腫が疑われた.腫瘍が巨大なため,まず,化学療法を施行し,奏効度はpartial response(縮小率61%)であった.2003年2月肺・心膜部分切除を合併した腫瘍摘出術を施行し,完全に摘出し得た.組織学検査にて胸腺肉腫様癌と診断された.術後縦隔に放射線療法(60 Gy)を追加したが,2003年9月胸腔内播種性再発を認...

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Veröffentlicht in:肺癌 2007, Vol.47(2), pp.105-111
Hauptverfasser: 津村, 眞, 木村, 圭吾, 武田, 洋正, 永田, 拓也, 荒木, 雅史, 溝渕, 光一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.胸腺肉腫様癌は極めて稀な悪性腫瘍であり,未だ治療方法も確立されておらず,予後不良な疾患である.集学的治療を行った胸腺肉腫様癌の1例を経験したので報告する.症例.54歳男性.2002年10月胸部X線検査にて左胸部巨大腫瘤影を発見され入院となる.超音波下経皮針生検にて悪性奇形腫が疑われた.腫瘍が巨大なため,まず,化学療法を施行し,奏効度はpartial response(縮小率61%)であった.2003年2月肺・心膜部分切除を合併した腫瘍摘出術を施行し,完全に摘出し得た.組織学検査にて胸腺肉腫様癌と診断された.術後縦隔に放射線療法(60 Gy)を追加したが,2003年9月胸腔内播種性再発を認めたため,胸腔鏡下摘出術を行った.その後,後頭部(髄膜)に転移が出現したため,全脳照射(40 Gy)を施行した.続いて,再度左胸腔内再発が出現したため,化学療法を施行したが,効果なく,2004年12月(術後22カ月)永眠した.結論.胸腺肉腫様癌は極めて予後不良で稀な腫瘍である.全身検索と腫瘍生検による確定診断を行った後,放射線化学療法を第一選択とし,引き続き手術療法を付加すべきである.今後,有効な化学療法の確立が望まれる.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.47.105