左肺全摘術後の気管壁内転移に対し気管管状切除を行った肺癌の1例

背景.一側肺全摘術後の再手術は肺機能上の制限もあり適応例は少ない.今回我々は肺癌で左肺全摘術後の気管壁内転移例に対し,気管管状切除を行った症例を経験したので報告する.症例.68歳男性.肺扁平上皮癌に対し左肺全摘術を行った.術後2年目に血痰が出現し,胸部CTで気管腔内に腫瘤を認めた.気管支鏡検査では第6気管軟骨輪,左側壁に腫瘍を認め,組織像が肺切除時の病理所見と酷似していたことから気管壁内転移と診断した.遠隔転移は認めず,腫瘍の気管壁外進展,リンパ節転移を疑う所見も認めなかったため手術を行った.胸骨正中切開下に3気管軟骨輪を切除し吻合した.合併症なく退院し術後約3年無再発生存中である.結論.一側...

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Veröffentlicht in:肺癌 2007, Vol.47(1), pp.47-51
Hauptverfasser: 小山, 孝彦, 水渡, 哲史, 藤本, 博行, 工藤, 裕康, 天川, 和久, 吉津, 晃
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景.一側肺全摘術後の再手術は肺機能上の制限もあり適応例は少ない.今回我々は肺癌で左肺全摘術後の気管壁内転移例に対し,気管管状切除を行った症例を経験したので報告する.症例.68歳男性.肺扁平上皮癌に対し左肺全摘術を行った.術後2年目に血痰が出現し,胸部CTで気管腔内に腫瘤を認めた.気管支鏡検査では第6気管軟骨輪,左側壁に腫瘍を認め,組織像が肺切除時の病理所見と酷似していたことから気管壁内転移と診断した.遠隔転移は認めず,腫瘍の気管壁外進展,リンパ節転移を疑う所見も認めなかったため手術を行った.胸骨正中切開下に3気管軟骨輪を切除し吻合した.合併症なく退院し術後約3年無再発生存中である.結論.一側肺全摘術後であっても,再発病巣に対し適応を十分に検討し手術を行えば,良好な予後を期待しうる症例は存在すると考える.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.47.47