十二指腸転移巣の出血を契機に発見された,絨毛癌様成分を含むhCG産生肺原発多形癌の1例

背景.絨毛癌成分を含む肺原発多形癌は非常に稀であり,早期に転移・再発を来す高悪性度腫瘍と推測される.症例.39歳女性.貧血症状を主訴に来院し,出血性十二指腸腫瘍と右肺下葉の充実性腫瘍が発見された.生検によって両病巣から類似した低分化型腫瘍細胞が採取され,肺癌の十二指腸転移と診断した.十二指腸腫瘍と肺腫瘍の両方に対して外科的切除を行った.切除標本病理検査にて,絨毛癌,巨細胞癌,大細胞癌などの成分を含むheterogeneousな組織像がみられ,その大部分でヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)陽性であった.病理組織学的に「絨毛癌成分を含む多形癌・pleomorphic carcinoma with...

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Veröffentlicht in:肺癌 2006, Vol.46(7), pp.817-821
Hauptverfasser: 田中, 浩一, 萩原, 優, 兼子, 聡, 斉藤, 司, 森, 雅樹, 加藤, 治文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.絨毛癌成分を含む肺原発多形癌は非常に稀であり,早期に転移・再発を来す高悪性度腫瘍と推測される.症例.39歳女性.貧血症状を主訴に来院し,出血性十二指腸腫瘍と右肺下葉の充実性腫瘍が発見された.生検によって両病巣から類似した低分化型腫瘍細胞が採取され,肺癌の十二指腸転移と診断した.十二指腸腫瘍と肺腫瘍の両方に対して外科的切除を行った.切除標本病理検査にて,絨毛癌,巨細胞癌,大細胞癌などの成分を含むheterogeneousな組織像がみられ,その大部分でヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)陽性であった.病理組織学的に「絨毛癌成分を含む多形癌・pleomorphic carcinoma with choriocarcinomatous differentiation」病理病期T2N0M1 stage IVと診断した.結論.十二指腸転移巣の出血を契機に発見された,稀な絨毛癌様成分を含むhCG産生肺原発多形癌を経験した.外科的切除の有効性は未確定であるが,有益な治療法の一つとなりうる可能性がある.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.46.817