孤立性のう胞性病変を呈した大腸癌肺転移の1例

背景.転移性肺腫瘍の空洞形成は原発性肺癌と比べるとまれであり,胸部CT上良性のう胞との鑑別が困難な場合がある.今回われわれは大腸癌術後に孤立性のう胞性病変を呈する肺転移をきたした症例を報告する.症例.症例は50歳の男性.2003年4月,盲腸癌にて結腸右半切除術を施行された.adjuvant chemotherapy後に当院消化器外科で経過観察されていたが,2006年1月の胸部CTにて左肺上葉に1.5 cm大,壁のわずかな肥厚を伴った孤立性のう胞性病変が指摘された.過去に遡ってCTを検討すると2005年2月の胸部CTにて同部位に微小のう胞性病変が出現していることを確認した.CT上のう胞性病変の増...

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Veröffentlicht in:肺癌 2006, Vol.46(7), pp.799-802
Hauptverfasser: 蜂須賀, 康己, 魚本, 昌志, 赤宗, 明久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景.転移性肺腫瘍の空洞形成は原発性肺癌と比べるとまれであり,胸部CT上良性のう胞との鑑別が困難な場合がある.今回われわれは大腸癌術後に孤立性のう胞性病変を呈する肺転移をきたした症例を報告する.症例.症例は50歳の男性.2003年4月,盲腸癌にて結腸右半切除術を施行された.adjuvant chemotherapy後に当院消化器外科で経過観察されていたが,2006年1月の胸部CTにて左肺上葉に1.5 cm大,壁のわずかな肥厚を伴った孤立性のう胞性病変が指摘された.過去に遡ってCTを検討すると2005年2月の胸部CTにて同部位に微小のう胞性病変が出現していることを確認した.CT上のう胞性病変の増大傾向を認めるため,2006年2月に胸腔鏡下手術(video-assisted thoracoscopic surgery:VATS)にて切除生検を行い,病理組織像にて大腸癌肺転移と診断した.結論.非典型的な形態の孤立性肺のう胞は,鑑別診断に転移性肺腫瘍を考慮し慎重な経過観察が必要である.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.46.799