急速増大を示した多形癌に対して外科的切除が有益であった1例
背景. 急速な腫瘍の増大を示した右肺上葉原発の多形癌を経験した. その臨床的, 病理学的特徴を検討し報告する. 症例. 66歳男性. 胃癌術後フォローアップ中の胸部CTにて腫瘤陰影を指摘された. 原発性肺癌が疑われたが, 気管支鏡下生検では確定診断を得られなかった. 陰影発見から2ヶ月半後のCTにおいて, 腫瘍は径2cmから7cmへと急激な増大を認めた. 骨シンチ等にて左大腿骨遠位端に異常所見がみられ骨転移を第一に疑ったが, 他の検査で異常は認められず局所コントロールの必要性を考慮し右肺上葉切除を行った. 切除標本病理検査で「多形癌」と診断された. 術後5ヶ月目に脳転移が出現し放射線治療を施行...
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Veröffentlicht in: | 肺癌 2005, Vol.45(6), pp.745-750 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景. 急速な腫瘍の増大を示した右肺上葉原発の多形癌を経験した. その臨床的, 病理学的特徴を検討し報告する. 症例. 66歳男性. 胃癌術後フォローアップ中の胸部CTにて腫瘤陰影を指摘された. 原発性肺癌が疑われたが, 気管支鏡下生検では確定診断を得られなかった. 陰影発見から2ヶ月半後のCTにおいて, 腫瘍は径2cmから7cmへと急激な増大を認めた. 骨シンチ等にて左大腿骨遠位端に異常所見がみられ骨転移を第一に疑ったが, 他の検査で異常は認められず局所コントロールの必要性を考慮し右肺上葉切除を行った. 切除標本病理検査で「多形癌」と診断された. 術後5ヶ月目に脳転移が出現し放射線治療を施行したが, 一時的な反応がみられたものの十分な効果は得られず, 照射8ヶ月後に脳転移巣を外科的に切除した. 現在のところ局所再発はみられておらず, 全身状態は良好で社会復帰ができている. 結論. 多形癌は悪性度の高い腫瘍であり手術適応には十分な検討が必要であるが, 症例によっては原発巣, 転移巣ともに外科的切除が, 局所コントロールや症状緩和などの点で有益かつ有効な治療手段となりうる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0386-9628 1348-9992 |
DOI: | 10.2482/haigan.45.745 |