肺がん検診の受診者背景とがん発見率の関係: 年齢・性別分布の違いを中心に

目的.肺がん検診における受診者背景, 特に年齢・性別分布とがん発見率の関係について検討した.対象と方法.1998年4月から2002年3月までの5年間に, 周辺自治体からの委託により, 当施設で実施した胸部X線検査と喀疾細胞診併用による肺がん検診の受診者延べ34137名のうち, 受診者数の上位8自治体の受診者31525名を対象とした.全体集計, 自治体別の集計を行い, 受診者の年齢・性別分布と人口10万対発見率を自治体問で比較した.さらに, 受診者の50歳以上の比率, 60歳以上の比率, 男性の比率, 50歳以上・男性の比率, 60歳以上・男性の比率を算定し, 各値と人口10万対発見率との相関を...

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Veröffentlicht in:肺癌 2004/10/20, Vol.44(6), pp.689-693
Hauptverfasser: 笹野, 進, 鳥居, 陽子, 大貫, 恭正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的.肺がん検診における受診者背景, 特に年齢・性別分布とがん発見率の関係について検討した.対象と方法.1998年4月から2002年3月までの5年間に, 周辺自治体からの委託により, 当施設で実施した胸部X線検査と喀疾細胞診併用による肺がん検診の受診者延べ34137名のうち, 受診者数の上位8自治体の受診者31525名を対象とした.全体集計, 自治体別の集計を行い, 受診者の年齢・性別分布と人口10万対発見率を自治体問で比較した.さらに, 受診者の50歳以上の比率, 60歳以上の比率, 男性の比率, 50歳以上・男性の比率, 60歳以上・男性の比率を算定し, 各値と人口10万対発見率との相関を調べた.結果.がん発見数30, 人口10万対発見率95.2, 男性24例, 女性6例, 平均年齢68.2歳であった.受診者の年齢・性別分布は自治体間で一様ではなく, 人口10万対発見率にも17.6から250.4までのばらつきがあった.受診者の50歳以上の比率, 60歳以上の比率, 男性の比率, 50歳以上・男性の比率, 60歳以上・男性の比率の各値と人口10万対発見率との間に, 統計学的に強い正の相関を認めた.結論.肺がん検診のがん発見率に対して, 受診者の年齢・性別分布の違いが強い影響を及ぼしていた.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.44.689