塩酸イリノテカン併用療法による完全寛解例

塩酸イリノテカンを含む併用療法による完全寛解complete response (CR) 例を2例報告した. 1例は47歳の肺腺癌の女性でc T4N3M0で, シスプラチン+イリノテカン併用療法4コースによりCRとなり2年1か月後も無再発生存中である. 他の1例は51歳の進展型小細胞肺癌の男性c T2N2M1で, シスプラチン+イリノテカン+エトポシドの併用療法4コースによりCRとなり予防的脳症照射を加え3年7か月後も無再発生存中である. 進行非小細胞肺癌のシスプラチン+イリノテカンによるCR率は1.6%であり, 他のプラチナ+新規抗癌剤による治療も含め10%の2生率が得られるようになっている...

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Veröffentlicht in:肺癌 2003/12/20, Vol.43(7), pp.850-856
Hauptverfasser: 工藤, 新三, 吉村, 成央
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
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Beschreibung
Zusammenfassung:塩酸イリノテカンを含む併用療法による完全寛解complete response (CR) 例を2例報告した. 1例は47歳の肺腺癌の女性でc T4N3M0で, シスプラチン+イリノテカン併用療法4コースによりCRとなり2年1か月後も無再発生存中である. 他の1例は51歳の進展型小細胞肺癌の男性c T2N2M1で, シスプラチン+イリノテカン+エトポシドの併用療法4コースによりCRとなり予防的脳症照射を加え3年7か月後も無再発生存中である. 進行非小細胞肺癌のシスプラチン+イリノテカンによるCR率は1.6%であり, 他のプラチナ+新規抗癌剤による治療も含め10%の2生率が得られるようになっている. 進展型小細胞肺癌のイリノテカンを含む併用療法によりCR率は10~20%であり, 2生率は20%前後, 3年生存率も10%近い値になった. まだ少数ではあるが進行肺癌の中に化学療法によるCR及び長期生存が認められつつある. 今後, 分子標的薬剤などを含む新しい治療薬の導入により更なる治療成績の向上が期待される.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.43.850