左肺癌縦隔リンパ節郭清法の問題点: 縦隔最終リンパ節からみた両側縦隔郭清の意義

目的. 左非小細胞肺癌N2症例を縦隔郭清の方法の違いによる予後の差を検討した. 方法. 完全切除された非小細胞肺癌N2症例を縦隔最終リンパ節 (上縦隔上部リンパ節, 気管傍リンパ節, 気管前リンパ節, 大動脈傍リンパ節) への転移のあるHigh level N2群とそれらに転移のないLow level N2群に分けた. それぞれの群において, 左肺癌で両側縦隔リンパ節郭清を行ったBilateral群, 側方開胸での標準郭清を行ったStandard群, 右肺癌Right群で, 予後を比較検討した. 結果. High level N2群では郭清法による予後の差はなかった. Low level N2...

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Veröffentlicht in:肺癌 2003/04/20, Vol.43(2), pp.121-124
Hauptverfasser: 矢野, 真, 小川, 伸郎, 石和, 直樹, 伊藤, 秀幸, 奥脇, 英人, 森田, 敬知, 佐藤, 達夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的. 左非小細胞肺癌N2症例を縦隔郭清の方法の違いによる予後の差を検討した. 方法. 完全切除された非小細胞肺癌N2症例を縦隔最終リンパ節 (上縦隔上部リンパ節, 気管傍リンパ節, 気管前リンパ節, 大動脈傍リンパ節) への転移のあるHigh level N2群とそれらに転移のないLow level N2群に分けた. それぞれの群において, 左肺癌で両側縦隔リンパ節郭清を行ったBilateral群, 側方開胸での標準郭清を行ったStandard群, 右肺癌Right群で, 予後を比較検討した. 結果. High level N2群では郭清法による予後の差はなかった. Low level N2群では, 5生率は60.6%(Bilateral群), 17.6%(Standard群), 55.0%(Right群) で, Standard群で有意に予後が悪かった. 結論. Low level N2群ではStandard群の予後が悪かったが, 気管周囲の郭清が行われていないため, High level N2群やN3症例が含まれていた可能性がある. 両側縦隔リンパ節郭清に診断的意義だけでなく, 治療的意義があるか否かは今後の検討が必要である.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.43.121