切除15年後に子宮および子宮付属器への転移をきたした肺腺癌の1例

背景. 肺癌の遠隔転移の中でも子宮および子宮付属器への転移は稀とされている. 症例. 67歳女性. 52歳時に右中葉原発性肺腺癌のため右中葉切除術を受けた. 1995年に同側胸膜に肺癌の再発を認め, 抗癌剤の胸腔内投与を受けた. その後画像上大きな変化を認めなかったが, 1999年2月頃より右腋窩リンパ節腫脹を認め, リンパ節生検を施行した. H. E. 染色およびsurfactant apoprotein-Aの免疫染色にて肺腺癌のリンパ節転移と診断された. さらに両側卵巣および子宮漿膜への遠隔転移も明らかとなり, surfactant apoprotein-Aの免疫染色も陽性であった. 15...

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Veröffentlicht in:肺癌 2002/08/20, Vol.42(4), pp.293-297
Hauptverfasser: 稲田, 陽, 西, 耕一, 朝本, 明弘, 車谷, 宏, 笠原, 寿郎, 藤村, 政樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景. 肺癌の遠隔転移の中でも子宮および子宮付属器への転移は稀とされている. 症例. 67歳女性. 52歳時に右中葉原発性肺腺癌のため右中葉切除術を受けた. 1995年に同側胸膜に肺癌の再発を認め, 抗癌剤の胸腔内投与を受けた. その後画像上大きな変化を認めなかったが, 1999年2月頃より右腋窩リンパ節腫脹を認め, リンパ節生検を施行した. H. E. 染色およびsurfactant apoprotein-Aの免疫染色にて肺腺癌のリンパ節転移と診断された. さらに両側卵巣および子宮漿膜への遠隔転移も明らかとなり, surfactant apoprotein-Aの免疫染色も陽性であった. 15年前の原発巣は中分化型乳頭状腺癌であり,II型肺胞上皮細胞とクララ細胞が主体である混合型であった. surfactant apoprotein-Aの免疫染色も陽性であった. 結論. 肺癌の術後15年の経過の後, 子宮および子宮付属器への転移を認めたことは臨床的に興味深く報告する.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.42.293