完全切除後の初発再発形式として癌性胸膜炎を来した肺癌症例の検討

目的 完全切除後に癌性胸膜炎を初発再発した肺癌症例につき検討を行った. 方法 過去10年間に切除を行った原発性肺癌455例のうち初発再発形式として癌性胸膜炎を診断できた6例につき臨床病理学的検討を行った. 結果 肺癌組織型はすべて末梢型の腺癌であった. 組織学的胸膜浸潤の程度は6例中2例のみがP2であり, 臓側胸膜面に癌露出を認めない症例が多かった. 組織学的には脈管侵襲が高頻度に認められた. 術後無病期間は平均34ケ月と術後比較的長い時間経過を経て発症する傾向がみられた. 再発後の中間生存期間は14ケ月と不良であったが, 抗癌剤の胸腔内投与を含めた化学療法を試みた結果, 再発後2年以上の生存...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:肺癌 2002/08/20, Vol.42(4), pp.249-253
Hauptverfasser: 太田, 安彦, 飯野, 賢治, 田村, 昌也, 佐藤, 日出夫, 片柳, 和義, 車谷, 宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:目的 完全切除後に癌性胸膜炎を初発再発した肺癌症例につき検討を行った. 方法 過去10年間に切除を行った原発性肺癌455例のうち初発再発形式として癌性胸膜炎を診断できた6例につき臨床病理学的検討を行った. 結果 肺癌組織型はすべて末梢型の腺癌であった. 組織学的胸膜浸潤の程度は6例中2例のみがP2であり, 臓側胸膜面に癌露出を認めない症例が多かった. 組織学的には脈管侵襲が高頻度に認められた. 術後無病期間は平均34ケ月と術後比較的長い時間経過を経て発症する傾向がみられた. 再発後の中間生存期間は14ケ月と不良であったが, 抗癌剤の胸腔内投与を含めた化学療法を試みた結果, 再発後2年以上の生存例が2例存在した. 結論 胸膜浸潤に伴う直接的胸腔内播種以外に脈管経路での胸膜転移から癌性胸膜炎の形成された可能性が示され, 臓側胸膜を穿破せずとも癌性胸膜炎が生じる可能性がある. 本病態に対しては状態の許す限り積極的な加療が望まれる
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.42.249