浸潤性胸腺腫に合併した悪性腫瘍随伴網膜症 (cancer-associated retinopathy: CAR) の1例

背景. 悪性腫瘍随伴網膜症 (cancer-associated retinopathy: CAR) は悪性腫瘍随伴神経症の一つで, 網膜変性を特徴とし, 上皮細胞由来の悪性腫瘍, 特に肺小細胞癌に随伴することが多い. 我々は浸潤性胸腺腫に随伴した稀なCARを経験したので2例目の報告をする. 症例. 41歳, 女性. 視力障害を主訴に受診, 胸部X線・CT写真で縦隔腫瘍がみられた. 血清中に抗アセチルコリンレセプター抗体の上昇, CAR自己抗体を認めた. 重症筋無力症を合併したCAR・胸腺腫と診断され, ステロイドパルス投与を行った .視力障害は回復しなかったが, 縦隔腫瘍は縮小した. 開胸術...

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Veröffentlicht in:肺癌 2002/04/20, Vol.42(2), pp.119-123
Hauptverfasser: 高橋, 豊, 中島, 尊, 小林, 孝暢, 玉田, 二郎, 大政, 貢
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景. 悪性腫瘍随伴網膜症 (cancer-associated retinopathy: CAR) は悪性腫瘍随伴神経症の一つで, 網膜変性を特徴とし, 上皮細胞由来の悪性腫瘍, 特に肺小細胞癌に随伴することが多い. 我々は浸潤性胸腺腫に随伴した稀なCARを経験したので2例目の報告をする. 症例. 41歳, 女性. 視力障害を主訴に受診, 胸部X線・CT写真で縦隔腫瘍がみられた. 血清中に抗アセチルコリンレセプター抗体の上昇, CAR自己抗体を認めた. 重症筋無力症を合併したCAR・胸腺腫と診断され, ステロイドパルス投与を行った .視力障害は回復しなかったが, 縦隔腫瘍は縮小した. 開胸術を施行したところ浸潤性胸腺腫であり, 拡大胸腺胸腺腫摘出を行った. 術後に放射線治療を追加, ステロイドを投与, 10ケ月後にCAR自己抗体は陰性化したが, 視力は回復していない. 結論. 悪性腫瘍随伴網膜症は肺癌に合併することが多いが, 浸潤性胸腺腫に発生した報告例は稀である.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.42.119