ラマン光学活性によるプロテオロドプシン中のレチナール色素の構造解析
「1. はじめに」アミノ酸が重合して組みあがったタンパク質の内部ではアミノ酸残基が構造の制約を受けながらパッキングされている. そのため, タンパク質中に基質や補欠分子が結合すると, これらの分子にも構造自由度の制限が生じて分子は変形してゆがむ. このような分子の構造ゆがみはタンパク質の機能と結びつくことも多い. 例えば, 酵素における基質の構造ゆがみは反応を進める効果があると考えられており, "ひずみ効果"として知られてきた. また, 補欠分子として色素を内包した光受容タンパク質では, 色素の構造ゆがみが吸収極大波長を決める一因になり, これはタンパク質がどの光色を受容す...
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Veröffentlicht in: | 生物物理 2022, Vol.62(6), pp.331-333 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」アミノ酸が重合して組みあがったタンパク質の内部ではアミノ酸残基が構造の制約を受けながらパッキングされている. そのため, タンパク質中に基質や補欠分子が結合すると, これらの分子にも構造自由度の制限が生じて分子は変形してゆがむ. このような分子の構造ゆがみはタンパク質の機能と結びつくことも多い. 例えば, 酵素における基質の構造ゆがみは反応を進める効果があると考えられており, "ひずみ効果"として知られてきた. また, 補欠分子として色素を内包した光受容タンパク質では, 色素の構造ゆがみが吸収極大波長を決める一因になり, これはタンパク質がどの光色を受容するかに直結する. このようなタンパク質中のゆがんだ分子の姿を調べる場合, 一般に結晶構造が参照される. しかし, 空間分解能よりも小さな分子ゆがみの可視化は容易ではなく, また"正確には見れなくても仕方ないもの"と暗にあきらめられることも多いと思う. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.62.331 |