(4) 人と学問の出会い

私は1989年冬, 留学生として大阪大学へ入学し, 日本での生活を始めた. その当時, 大阪大基礎工学部の生物工学科では脳研究が最先端の研究分野で, その分野を勉強したく研究室の門を叩いたが, 入ることができず, 留学を諦めて韓国に戻ろうと考えた. しかし, 同大学の先輩からの紹介で, ヘモグロビン(Hb)を研究している森本英樹先生に出会い, 森本研究室にお世話になることを決めた. これが, 私の構造生物学研究の原点となった. 「1. 分光学から構造生物学へ」当時, Hbのアロステリック機構について, Max Perutz先生が2状態モデル仮説を提案され, これを証明するための研究が様々な生物...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物物理 2021-07, Vol.61 (4), p.270-272
1. Verfasser: 朴三用
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:私は1989年冬, 留学生として大阪大学へ入学し, 日本での生活を始めた. その当時, 大阪大基礎工学部の生物工学科では脳研究が最先端の研究分野で, その分野を勉強したく研究室の門を叩いたが, 入ることができず, 留学を諦めて韓国に戻ろうと考えた. しかし, 同大学の先輩からの紹介で, ヘモグロビン(Hb)を研究している森本英樹先生に出会い, 森本研究室にお世話になることを決めた. これが, 私の構造生物学研究の原点となった. 「1. 分光学から構造生物学へ」当時, Hbのアロステリック機構について, Max Perutz先生が2状態モデル仮説を提案され, これを証明するための研究が様々な生物物理の手法を取り入れて盛んに行われていた. Hbはタンパク質の中で, 最もよく研究されているアロステリックタンパク質であるが, その機能調節の仕組みはまだ解明されていない.
ISSN:0582-4052