ミトコンドリアのカルシウムイオンチャネル (カルシウムユニポーター) のCa2+取り込み制御機構
「1. はじめに」 Ca2+は生体内の様々な場面で重要な役割を果たすシグナリングイオンである. その働きは筋収縮, 受精, 睡眠など, さらには細胞死に至るまで多岐にわたり, "生と死をつかさどるイオン"ということができる. このため, Ca2+の細胞内濃度は厳密に制御されている. 真核細胞において重要なCa2+レギュレーターの一つはミトコンドリアである. しかし, ミトコンドリアにおけるCa2+濃度調節に関わる分子メカニズムは最近までほとんどわかっていなかった. ミトコンドリアによる細胞内Ca2+濃度の調節機構の中核となるのはミトコンドリアへのCa2+取り込みを行うカルシ...
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Veröffentlicht in: | 生物物理 2021-05, Vol.61 (3), p.157-194 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 Ca2+は生体内の様々な場面で重要な役割を果たすシグナリングイオンである. その働きは筋収縮, 受精, 睡眠など, さらには細胞死に至るまで多岐にわたり, "生と死をつかさどるイオン"ということができる. このため, Ca2+の細胞内濃度は厳密に制御されている. 真核細胞において重要なCa2+レギュレーターの一つはミトコンドリアである. しかし, ミトコンドリアにおけるCa2+濃度調節に関わる分子メカニズムは最近までほとんどわかっていなかった. ミトコンドリアによる細胞内Ca2+濃度の調節機構の中核となるのはミトコンドリアへのCa2+取り込みを行うカルシウムユニポーターである. 50年以上にわたり不明であったカルシウムユニポーターを構成する分子群がここ数年の間に続々と同定された. 関連分子の同定により, どのようにCa2+を取り込んでいるのか, なぜ臓器や病態の違いでCa2+取り込み活性が異なるのか, といったより深い疑問に対してアプローチが可能になった. |
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ISSN: | 0582-4052 |